ハトのメタバース。いじめも格差も貧困も何もかもがない完全平和のゲームと聞きとても魅力的だと思いプレイしてみました。
ログインしてみると深い森林の中にスポーンし、何もない高床式の小屋と光輝くシーソーに自分含め30羽程度のハトが生息していました。
自分含めハトどもには名前など付いていないのが当たり前であり、数歩動くと隣にいたハトがすでに行方不明になるほどです。
操作は移動、ジャンプ、視点操作だけですが翼があるのに羽ばたくことはできません。生まれながらにして自由を奪われています。このハト社会では飛び回って生を表現する表現の自由は規制されているのでしょうか…。
また多くのハトは光輝くシーソーの周りに集まっていました。やはりハトどもには興味をそそられるものがあるのでしょう。
しかしそんなシーソーではハト社会において最も悲しく醜い争いが起きていました。
シーソーの真ん中争いです。
シーソーは端っこに乗ると動きます。一方にハトが乗ればそのハトは下へ、当然反対にそれ以上のハトが乗れば最初のハトは上に行きます。
ですが真ん中に乗るとシーソーは動きません。
要は真ん中に乗れる者はこの世界の均衡を保てる者、即ち大統領や総理大臣にあたる立場になることができます。
ハトどもはこの立ち位置を狙って他のハトを落としたり、明らかに定員オーバーな状態で真ん中に乗ってきたりします。
一つの国にリーダーは複数も入りません。するとどうなるでしょう。
シーソーが暴れ出し国が崩壊します。私はこれのせいで高所から落下し足を怪我してしまいました。飛ぶ術も知らないのに高所から打ち付けられて。数秒経つと国が元通りになりまた抗争を始めます。
この世界に抗争とかいじめがないというのはまったくもってウソです。
ハトどもの間でもトップに立ちたいという思いは常にあるため、自らもトップに立ちたいと強く願わないと私のように痛い目を見てしまうかもしれません。ハトの社会で生きていくというのはそういうことです。
ちなみに私は世界の果てに堕ちて最後を迎えました。もうこの世界にはいませんので後を頼みます。