クトゥルフダンジョ‪ン‬ 4+

まずレビューの前に助言用にこれだけ。
初心者は楽しくやるには上級職のベルセルクかアルケミストを三人目に迎え入れるのを推奨します。

以下ネタバレ&長文注意

2日でクリア(やりこみボスの1600層到達)するほど面白かったです。
正確には一度インストールしたけどハマらなくて即アンストして再ダウンロードしてですが。

ストーリー展開はクトゥルフ要素も絡めつつ、RPGのような王道展開に近い物でありながらちゃんと主要人物の掘り下げも出来ていて(脇役の掘り下げは若干足りなかったかな？アメリア、ドコココ等の味方サイド 敵、というか教団サイドは掘り下げられていたかな)
面白かったです。

ゲームシステム面は、元がキャラロストもありえる難易度のクトゥルフ(このゲームではキャラロスは無く強制帰還だが)、若干ローグライクじみたRPGという事もあり、システム面の理解への強要が強いと思います。人によってはバランス調整不足と捉える方もいらっしゃると思います。間違ってはいません。
まず、初級職、中級職ははっきり言って戦力不足です。かといって初級職から上級職に飛び級しようにも前提の中級職解放があるし、モチベが維持できません。なので初級職で一つ、中級職で一つ、上級職で一つづつ作ることが(三人目まではステータスリロールが何回でも無料なのも相まって)必須です。
次に何の職業を解放すればいいかですが、これはステータスポイント(以下SP)取得時のボーナスに目を向けると良いでしょう。
SPは戦闘終了時に1〜11ポイント(敵の強さによって変わる)貰えますが、これをその場で好きなステータスに振れます。つまり多用するステータスにSPボーナスがかかってないと成長が遅れ、戦闘で苦しみます。
では何のステータスが優先度高めか。HP、力or魔力がほぼ必須です。次点で素早さ(無用な戦闘を避ける、もしくは雑魚に先手を取られないため)も他ステータスに比べ有用度が高いです。
丈夫さ、抵抗力によるカウンターの類いを主体とするのは、相手が何の攻撃を繰り出してくるかダイス次第な上、敵によっては物理しか攻撃を持ってなかったり魔法しか攻撃を持ってなかったりで長期の探索においては安定しないのでやめた方がいいでしょう。
回復も殆どが全回復する薬(しかも5本まで持てる)かイベントなので攻撃はHPでそのまま受けるのが吉。
また、力、魔力はどちらかガン振り推奨。敵によってはどちらかの種類の攻撃を軽減する者が居ますが、軽減数値は高く無いし、無効化する事もありません。つまり平均して振ろうがガン振りにしようがその敵に対してはほぼ同じ火力なのです。ならば軽減が付いてない敵にもっと火力が出せるようにガン振りにした方が良いです。
こうすると途端に上記に合う職業が限られます。
上級職で挙げると、ベルセルク(HP力素早さ、あとおまけの丈夫さ)、アルケミスト(HP魔力素早さ、あとおまけの抵抗力)しかありません。つまり、他の殆どが選ぶ理由が薄いのです。上級職は全部で10職もあるのにも関わらず。
これでも全クリ(やりこみボス含め)するのはかなり余裕があるわけではないです。あくまでHPと力or魔力を優先的に振り、素早さもまぁまぁ振れば安定して行けるかな程度です。
この職業間のバランスは悪いなと思いました。また、攻撃時の攻撃回数がダイス次第(ダイスの目の分だけ攻撃を行う、6が出た場合さらにもう一回ダイスを振る)なのもバランスがあまり取れなかった原因かなと思います。

こんな長文書いてしまいましたが、ゲームとしては悪くなかったです。というか面白い。描写も逸品でした。
改善するならば上記のシステム面だと思われます。特に初級職、中級職はいくらなんでも潜れる階層が浅すぎると感じました。

という事で評価としてはストーリー星5、システム面星3とし、統合で星4と評価します。
間違いなく面白いゲームが作れる個人開発者チームと感じたので、恐縮ですが私の評価を参考にして頂ければ幸いです。

恐怖度が1%なのに頻繁に恐怖で動けないといってダイスが減らされて、殆ど強制的に赤マスや危険な大きい敵マスに止まらされます。大きい敵と当たると必ず相手が先行、カードを使って先行を取ってすぐ逃げるを選んでも6が連続で四回くらい出ないと逃げきれないような目標値、攻撃されれば即死ダメージ。赤マスに止まっても運が悪いとまた6を連続で三〜四回出さないと即死するイベント。NPCがピンチのイベントでは強制的に救助させられて、6を連続で複数回出さなくてはいけない無理難題な目標値のダイスロールをさせられて、失敗すれば罵られて好感度が下がります。即死関係の目標値が馬鹿になっているような印象ですが、制作者の方々はTRPGをプレイなさった事はございますでしょうか。失敗すれば即死、というイベントで複数回のクリティカルを要求する目標値が設定されたシナリオなんて、自分は見た事が無いのですが…。
負けて帰還しても、自分の意思で途中で帰還しても、戦闘などで得たステータスアップ値は初期化されてまた一から始めなくてはいけない設定なので、いつまで経ってもキャラクターは成長せず、死なない程度の所で何度も引き返してちまちまとジェムというゲーム内アイテムを集めねばならず、これを大量に集めなければ上位キャラクターを雇う事も出来ません。
突然の理不尽な恐怖や死、というものはクトゥルフ神話的にはよくある事だからそれは我慢するにしても、経験が引き継げず死んだらアイテムを持ち帰れない仕様ではゲームとしてはちょっと…。作業させられるだけさせられて何も得られないのは達成感も無く、何の為にやっているのか解りません。
世界観はよくあるファンタジーなので良いのですが、キャラクター(NPC)の大半が「漫画的」な個性を与えられた女性ばかりです。ギャルゲーであれば相応しいのだろうと思いますが、クトゥルフ神話の世界観にはミスマッチなように思えます。ただ可愛いばかりで恐怖や不安を煽るような事もなく、寧ろギャグ的なやり取りで場を明るくさせています。それに、これは個人的な感想ですがキャラ同士の掛け合いが…何というか、寒いです。プレイヤーそっちのけで既に関係の出来上がっているNPC同士で会話したかと思うと不意にウザ絡みしてきたり、何と言いますか、プレイヤーとしてゲーム内に存在するキャラクターと会話しているというよりは、うちの子萌えの創作クラスタがオリキャラ同士を絡ませている所に巻き込まれたかのような「えっ……あ、はい…」感が強すぎて…。クトゥルフとは関係の無い所で男性向け萌え系のラノベとして出す分には魅力的なキャラクターなのでは、と思います。絵はデザインも良くとても綺麗です。
キャラクター数は異常に多く、それ必要？と思うような役割のキャラが多数存在しています。(その事も余計にオリキャラ発表会的なイメージを増長させています…)序盤から非常に多くのキャラクター達がプレイヤーそっちのけで登場しまくるので、この人誰だっけ…と何度も思いました。折角キャラに個性を付けても、多すぎて殆ど印象に残りません。猫耳三姉妹みたいなのの後に狐耳っぽい女性が出てきましたが獣耳属性被ってるし折角の個性を殺し合っていて…。こちらは全く印象に残っておらず、誰？？？状態なのに把握している体で選択肢なども出てくるので、良く解らないままイベントを進める事が多いです。
あと、iPhoneXSなのですが画面が見切れていて読めないテキストが多数あります。冒険者をダンジョンへ送り出すリンクの文字なんて全く見えないので、勘でギリギリ見えているボタンの端っこを押しました。
ゲーム内容はシンプルで特に説明が無くても解りやすく、作業ゲーが苦でない人なら楽しめるものだと思います。同じイベントが何度も繰り返される割に挙動はラグが多くもっさりしていますが、一昔前のガラケーのソシャゲだと思えば許容範囲かと思います。
総合的に、ゲームの発想としては面白くシステムも悪くない(☆5)が、ゲームバランスが壊滅的(☆-1)でクトゥルフ神話の雰囲気は無く(☆-1)、NPCが鬱陶しい(☆-1)という理由で星2にしました。

まず、このゲームがTRPGの体裁を持って配信されていることを念頭においても、運ゲーの要素が強すぎるように思われます。
システム的にはとても楽しめて、たまに発生するラグなどを除けば良いゲームです。
しかしながら、先ほども言ったように、己の運がガバると死にます。冗談でなく死にます。
普通に攻撃しても、どのぐらいの火力が出るかはダイス次第です。これはTRPGゆえ許せるとしても、次が問題です。
まず、敵の火力がインフレしています。序盤でも強いと100とかいう馬鹿げた数字が飛んできます。これをかわして攻撃を当てるには、カウンターというのを撃てば良いのですが、望む攻撃が来るかどうかは運です。
また、敵に先手を渡すと殆どの場合HPの1/3、或いは即死級の攻撃が飛んでくるので、先手後手争いが大変重要になります。攻撃力などは、その次ぐらいの重要度です。
ゲームを続けていくとステータスがだんだん強くなっていくので、このくらいでも大丈夫かと思っているのかもしれませんが、強くなるまでに死にまくっていたら元も子もないありません。
この辺りを改善してもらえれば、もっと楽しくプレイできると思います。
また、ストーリーや他の要素ももう少し掘り下げられると面白いと思います。
以上の点から、これからの発展に期待を込めて星4をつけさせていただきました。
ただ、アプデが止まっているので、これ以上の更新は見込めないと思いますが。