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月に想いを馳せる

今宵の月を見上げてたどる、人類の想像力の歴史と未来図。

Moon Book

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月は古来から人類の関心の的でした。地球から最も近い天体には、何があるのか。誰かが住んでいるのか。「源氏物語」の中で「物語の出で来はじめの祖なる竹取の翁」と書かれた、現存する日本最古の物語「竹取物語」も、まさに月に住む天人が主題の物語です。

今夜の月は満月か、三日月か。夜空を渡る月をたどりに、「Moon Book」を開いてみましょう。今宵の月齢や月の出る方位、月の入りの時間などを一覧で教えてくれます。月は今、どの星座の近くにいるのでしょうか。画面をスクロールさせて、360度に広がる天体図の中に、月の姿を探します。画面の下にある2つのスライダーを動かすと、「Time」は今見ている時間から一日先の未来までの天体の動きを、「Day」は同じく設定した日から一年先までの天体の動きを眺めることができます。

「Moon Book」は月食の日も教えてくれます。画面の左下にある月のシルエットをタップすると、皆既月食と部分月食の日付リストが現れます。次に日本で見られる皆既月食は2021年5月26日だそうです。18:45から月食が始まり、20:19に最大になり、21:53には終わります。未来に起こる月食の発生時刻が、今では分単位で正確に計算され、Appを開くだけで確認できるのです。

地球から月までの距離は、約38万4400キロメートル。その距離を移動して、月まで旅した物語で最古と言われているのは、2世紀中頃にルキアノスが書いた空想小説です。オリュンポス山から飛んで月へ向かった話と、船で7日7晩空中飛行してたどり着いた話と2編残しています。サイエンスフィクションの開祖、または父と呼ばれるジュール・ヴェルヌも月へ旅する長編小説を書いていて、その中では3人の乗組員が大砲の砲弾に乗り込んで、月へ向かいました。