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私が手放せないお絵描きツール

「MediBang Paint」で色塗りにチャレンジ。

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デジタルでのお絵描きに慣れてきた人も、色塗りの段階になると、機能が多くてどこから始めればいいのか、わからないこともありますよね。

絵の具やインクの制限なく無限に色を作れるパレットや、膨大な数のブラシなどに悩む前に、油絵の技法の1つである「グリザイユ画法」をベースに、モノクロームで明暗を塗り分けるところから始めてみましょう。色と明度の作業を分割したこの技法を、ぜひお試しください。

グリザイユはフランス語で、「モノクロームで描いた絵画」を意味します。モノクロームの絵の上に色を重ねて、デジタルイラストレーションならではのレイヤー調整をすることで、直感的に色塗りができます。

ここでは、iPhoneの3D Touchや、iPad ProのApple Pencilでタッチの強弱も自在に作れる「MediBang Paint」で、キャラクターを彩色する方法をご紹介します。

下塗り用のレイヤー作り

デジタル環境でのイラスト制作に欠かせない「レイヤー」。最初に、主線が描かれた透明なレイヤーを準備します。主線は1枚の透明なページのように、下塗りになる別のページに重ねるイメージで、必要に応じてレイヤーを増やしていきます。

メニューバーに表示されている、ひし形が2つ重なったアイコンをタップすると、レイヤーメニューが開きます。レイヤー管理のメニューの中で、「レイヤー一覧」の上にある「+」をタップし、新規「カラーレイヤー」を追加しましょう。そして、「↑↓」のアイコンをタップし、新規レイヤーが線画の下になるように配置します。

それぞれのレイヤーの横にある歯車のアイコンをタップすれば、名前をつけられるので、細かくパーツごとに塗り分けているときも、レイヤー名で見分けがつきます。

主線の下に灰色の濃淡で塗る、下塗り用のレイヤーを作ることで、線と下塗りが独立した状態になっているので、塗りの修正も簡単になります。

下塗りにチャレンジ

レイヤーの準備ができたら、いよいよ下塗りを始めましょう。まず、左上の筆のようなアイコンをタップして、ツールのメニューを開きます。ここにある「ブラシツール」や「バケツツール」(iPad版では画面上部のメニューに配置されているもの)を活用して、大まかにキャラクターを薄いグレーで塗りつぶしましょう。

「ブラシツール」でキャラクターの枠をなぞったら、「バケツツール」を選択。このとき、画面上部にある「対象」のオプションから、塗りつぶす範囲を「レイヤー」に設定します。

塗りつぶしたレイヤーの上に、上記のレイヤー作りの手順で、新しい「カラーレイヤー」を追加します。そして、明暗を意識した塗り分けを始めましょう。下地より暗いグレーを重ねて、影になる部分を塗っていきます。

このときに私がよく使うツールは「水彩」。ペン先のサイズや不透明度をスライダーで調整します。パーツによって、25〜55%くらいの不透明度に設定しておくと、最初のストロークでは薄く色づき、ペンを重ねるごとに徐々に色が濃くなり、本来の色に近づいていきます。

ストロークを塗り重ねていく手法は、どんな大きさの画面でも、色やタッチの調整がしやすいのでおすすめです。また、質感のある塗りむらが生まれるので、味のある仕上がりになります。

線画の下に新しい「カラーレイヤー」を作り、モノクロ写真のように明暗を意識した下塗りを準備します。

影のかかる部分が決まったら、次は光の当たるエリアを下地より明るいグレーで塗り進めます。そして最後は白に近い色を使って、全体にめりはりをつけましょう。塗装前のフィギュアや、モノクロ写真のイメージで塗り分けていくのがおすすめです。

明暗の塗り分けが終わったら、私はレイヤーの管理がしやすいように、グレーの2枚のレイヤーを統合してしまいます。

「レイヤー一覧」の上にある「・・・」をタップすると、追加のメニューが開くので、「下に統合」を選択します。すると、作業中のレイヤーと、すぐ下のレイヤーが統合されて1枚のレイヤーになります。そして線画の周りの、不要なグレーの箇所を消しゴムで消していけば、モノクロームの下塗りが完成です。

色分けと色付け

下塗りが完成したところで、次はキャラクターの色を付けていきます。肌や髪の毛など、パーツごとの色をペンとバケツツールで、フラットに塗りつぶしていきます。このとき、パーツごとに新しい「カラーレイヤー」を作って分けておくと、色の変更やはみ出しの修正も簡単です。

パーツごとにレイヤーを分けて塗りつぶしています。「バケツツール」の「対象」を「キャンバス」にすると、表示されているすべてのレイヤーを参照し、塗り絵のように線の中を塗りつぶせます。

すべてのパーツを塗り終えたら、上で行ったように、レイヤーを統合しましょう。色付きのレイヤーは1つにまとめ、下塗りは別のレイヤーにまとめておきます。このとき、2つのレイヤー(色付きとモノクロ)を間違って統合しないように気をつけます。

1枚になった色付きのレイヤーを選び、グレーの下塗りを活かすために、ブレンドモードを変更します。レイヤーメニュー上部にある「通常」と書かれている箇所をタップすると、様々なブレンドモードが出てくるので、試しに「オーバーレイ」を選んでみましょう。すると、グレーの暗い箇所は重なった色を暗くし、明るい箇所はさらに明るい表現になり、バケツツールで塗っただけの平たい色に深みが生まれます。全体が明るすぎるときは、レイヤーメニューの「不透明度」のスライダーを調整して、好みの色まで明るさを下げましょう。

ブレンドモードによって、陰影の混ざり方や色の表現が変わります。

レイヤーメニューにある、2枚の四角が重なったアイコンをタップすると、選択中のレイヤーを複製できます。色の塗り分けが終わったレイヤーを増やして、ブレンドモードと不透明度を変えるだけで印象が変わります。例えば「乗算」に設定したレイヤーの上に、全く同じ色を塗ったレイヤーを「オーバーレイ」に設定し、不透明度を70%にして重ねることで、1枚の色付きレイヤーのときよりも、肌や髪の色がより鮮やかに表現されます。

ブレンドモード以外にも、レイヤーの「フィルタ」を変えてみるのもおすすめです。

レイヤーの「フィルタ」を使えば、全体の色合いを簡単に調整できます。

レイヤーメニューで複製した色付きレイヤーを選び、「・・・」から「フィルタ」を選択します。全体の印象を暖色にしたいので、「色相」のフィルタで3つのスライダーを右に動かします。「色相:彩度:明度」の順に、332:162:120に設定をしてみると、全体に赤みがかかった、暖かい印象になります。このレイヤーを「オーバーレイ」に設定することで、最初に塗った色合いとは違った色の変化を楽しめます。

全体の色を調整

これで一通りキャラクターには色が付きましたが、レイヤーをさらに活用して、もう少し華やかにしてみましょう。

新しい「カラーレイヤー」を色付きレイヤーの上に作り、明るいピンクを輪郭や毛先に、白に近い色を頭頂部や顔の中心に入れていきます。そして上記のように、ブレンドモードを「オーバーレイ」や「加算(発光)」に設定し、不透明度を10~20%にすると、ほのかに明るく色付きます。髪の毛や皮膚の暖色や寒色を意識して、ニュアンスカラーを入れると、まとまりがよくなります。

絵に化粧をするように、血色を意識して皮膚に赤みを足します。

仕上げに、「鉛筆ツール」を使って加筆と修正をしてみましょう。新規の「カラーレイヤー」を色付きレイヤーの上に作り、瞳の中の濃い色や細かいまつげ、唇の色などの描き込みをします。そしてすべてのレイヤーの上に新しい「カラーレイヤー」を作り、髪の毛や瞳のハイライトを入れて、ブレンドモードを「加算(発光)」に設定します。このとき、白だけではなく、明るいピンクやブルーを使うことで、華やかな仕上がりになります。

1枚のレイヤーに色を散りばめ、ブレンドモードを変えていくだけで、簡単に全体の雰囲気を変えることができるのも、デジタルイラストレーションの楽しみです。

イラスト全体の光源を意識し、光と影の関係を考えて、「明」と「暗」をしっかりと塗り分けることで、今まで以上に目をひくイラスト制作が可能になります。ぜひ「MediBang Paint」の豊富なツールを駆使して、お絵描きを楽しんでください。

初めてデジタル環境で絵を描く人へ、線画のハウツーはこちらでお届けしています。

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