HOW TO

私が手放せないお絵描きツール

「アイビスペイント」で思い通りの一枚を。

ibis Paint

High-performance painting app

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デジタルと印刷の両方の用途に活用できる、シンプルなインターフェイスの「アイビスペイント」。柔らかいタッチと、なめらかな線で描かれるイラストが好きな私は、線画に注力して描きたいときに、「アイビスペイント」を使用します。繊細なラインを生み出すツールを駆使して、思い通りの一枚を描いてみませんか。

マイギャラリーから始めよう

「アイビスペイント」を開いたら「マイギャラリー」から「+」を選び、新規キャンバスで作画を開始してみましょう。印刷用のハガキサイズやA4サイズをはじめ、多くのフォーマットサイズが用意されているうえ、DPI指定ができるなど、用途に応じた選択が可能です。

キャンバスに触れよう

「アイビスペイント」では、すべてのツール類が下部に集約されています。左から2つ目のアイコンでツールの種類を選び、3つ目のアイコンでツールの詳細を操作します。例えば「ブラシツール」が選択されている状態であれば、鉛筆やペン先など、ブラシの変更が可能になります。また、描いている途中に、右下の矢印アイコンでギャラリーに戻れば、いつでも自動保存されます。

ラフを描こう

まず下書きで全体のバランスを整えたいので、「鉛筆ツール」などの柔らかいタッチのブラシを選び、中心のアイコンから薄い色に変更します。そして、制作に入っていきましょう。

ツールバーの上に表示されるスライダーでは、ペン先の大きさや透明度を調整できます。キャンバスを2本の指でズームイン・アウトをして、全体のバランスをみながら、大きめのペン先でラフを描いていきます。

下書きを終えたら、透明な紙を重ねて描くように、レイヤーを増やしていきましょう。

レイヤーを増やそう

一通り全体のラフが描けたら、ツールバーの右から2つ目にある「レイヤーツールバー」を開いてみます。デジタル環境でのイラスト制作に欠かせない要素が、このレイヤーです。透明なページを重ねるように、下書きの上に、線だけのレイヤーを作って描きます。

ツール画面に表示されている「+」から新規レイヤーを作成してみましょう。右側のレイヤー一覧で薄いブルーになっているものに描かれるので、空のレイヤーを選びます。そして描画画面に戻り、線画の制作を始めます。

このとき、下書きの色が濃くて新しい線が見えづらいときには、レイヤー表示の下にあるスライダーで濃度を変えられます。さらに、目のアイコンでレイヤーを非表示にしたり、下書きが不要になればゴミ箱のアイコンで削除したりできます。また、全体のバランスを見るのには、「+」の横にある左右や上下反転を活用します。

ペン入れを進めよう

絵を描くときの悩みの一つが、線のがたつきですが、「ibisPaint」には、デジタルのお絵かきツールならではの機能が用意されています。右上に並ぶアイコンから、指の形をしたツールを選択すると、手ぶれ補正や強制入り抜きの設定画面が開きます。

ここでは、線の描き味をなめらかに補正してくれるものや、つけペンで描いたかのように、線の最初と最後を細く調整できます。私がiPhoneで描くときには補正を3から5に、iPad ProとApple Pencilの組み合わせ描くときには、1から3に設定しています。また、ロングヘアなど大きくなめらかなラインを描くときには、補正を大きくしたりと、作業環境や用途によって使い分けています。

下書きと同じように、描くパーツによって、画面下のスライダーからペン先の大きさを微調整しながら、ペンを入れていきます。ツールバー内、一番左のアイコンから、ブラシツールと消しゴムツールをすぐに切り替えられるのが便利なポイントです。

パーツごとに、線の太さやタッチを微調整しながら描きこんでいきます。

髪の毛や顔のパーツなど、後から調整や修正が必要になりそうな箇所は、新しいレイヤーを作って描くのがおすすめです。例えば、途中で表情に修正を入れたくなっても、すでに描いた輪郭や髪の毛の線はそのまま、顔のパーツだけすべて消して描きなおすことができます。

自動色塗り機能をためしてみよう

一通り描けたところで、「アイビスペイント」に追加された「自動色塗り」機能を試してみましょう。描いた線の上に直接色が入るので、一度「マイギャラリー」に戻り、「作品を複製」を選んでおけば、線画だけのファイルも残しておけます。

自動色塗り機能で、普段の色使いとは違った一枚に仕上げてみませんか。

ツール一覧の中から「FX(フィルター)」を選び、「自動色塗り」を選択します。すると、自動でイラストに色が塗られるので、気に入った仕上がりであれば右下のチェックマークで完了しましょう。自分で色を指定し、ある程度調整をしたい場合は、「自動色塗り」ツールバー内のチェッカー柄のアイコンを選んで、一度色を消します。カラーボックスを開いて色を選び、ペンツールでイラストにポンポンと色を乗せてみましょう。このときに置く色は、仕上がりには反映されないので、はみ出しなどを気にせず配置していきます。そして「色塗り」を選ぶと、最初とは違った色合いでの自動色塗りが完成します。

絵を描く楽しさを共有しよう

「アイビスペイント」にはこの他にも、無料の素材集やスクリーントーン、さらには、写真をアニメや漫画調に変換するフィルターなど、お絵かきに便利な機能がつまっています。また、途中までiPhoneで下書きをしたあと、独自のIPVファイルとしてiPad Proに共有して仕上げるなど、デバイスをまたいで作業ができるので、場所を選ばないイラスト制作が可能です。

完成した作品をオンラインギャラリーに投稿したり、他のクリエイターたちによる作品を閲覧したり、「アイビスペイント」が持つ、「絵を描く楽しさを共有しよう」というコンセプトを体験してみませんか。