今日の
ゲーム

荒廃した世界に開店した、一軒のパン屋の物語。

ポストアポカリプスベーカリー

地球最後のパン屋

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パン屋ができると村が再生する。

以前、旅の途中で、戦争により荒廃してしまった村を通った時、そんな話を聞いたことがあります。「ポストアポカリプスベーカリー」は、文明が崩壊しつつある未来の地球に開店した一軒のパン屋を切り盛りするゲームです。

この世界にまだパンが売っていたなんて信じられない、と集まる客の誰もが口にする、そのような世界が舞台です。地球にはもはや食べ物を作る素材がありません。あなたは相棒のロボット、「ホーム」と一緒にパンを焼くのですが、そのパンも正体不明の「暗黒物質」を使って作ります。

いつも元気に「テンチョー」のあなたを鼓舞してくれるロボットの「ホーム」。

けれどもそのパンを買った客は必ず常連となり、また訪れるのです。そして時折、彼らの悲しい思い出やパンを食べさせたい誰かの話とともに、こんな改良をしてほしい、と伝えてきます。あなたはパンを売ったお金でパンをもっとおいしく、やわらかく、またはにおいを良く、改良して、彼らの注文に応えていきます。

地球最後のパン屋は、もしかしたら、未来の地球を再生させる最初のパン屋になるのかもしれません。私が訪れたユーラシア大陸の東の村にも、パン屋は一軒しかありませんでした。けれども、そのパン屋ができたことで、村に再び人々が移り住み、少しずつ活気が戻り始めていました。夕暮れ時、明日のためのパンを買った村人たちの帰り道を、パン屋の灯りが照らし続けていました。店先で交わされる会話と温かいパン。それは生活の基盤となる交流を象徴しています。

最初はすべての客が買えるほどの数のパンを作ることはできません。それでも毎日、パンを焼き続けることで、喜んでくれる客が増えていきます。奇抜な設定と絶妙なセリフまわしの奥に、そんな日々の営みの大切さと交流の温かさを体験させてくれる不思議なゲームです。