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シノアリスだったナニカ

それは最悪の「物語」

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おとぎ話の主人公たちが互いに戦い合う本格ダークファンタジーゲーム。それが「シノアリス」です。

アリスをはじめ、スノウホワイト、シンデレラ、グレーテル、いばら姫、赤ずきん、かぐや姫、そしてピノキオの9人のキャラクターが登場します。ですが、なじみのあるキャラクターたちの印象は元のおとぎ話とはだいぶ異なります。

9人はそれぞれ性格を象徴する言葉が与えられていて、例えばアリスは「束縛」、白雪姫は「正義」、シンデレラは「卑劣」と表現されています。それは各キャラクターがゲーム内で歩む物語をも暗示させます。

本来の物語で彼女たちが体験した悲劇的要素や、そこでの彼女たちの行動に内在していた負の性格要素を、新しい切り口で再設定することで、このゲームの独自の世界観を生み出しています。

アリスを表す言葉は「束縛」。青を基調にした、ゴステイストのメイド服に身を包み、自分の体よりも大きな剣を持っています。

9人のキャラクターは「作者」を探して、物語を喰い尽くす「ナイトメア」と呼ばれる敵と戦います。初期の章ではそれぞれの物語が独立した話として進行しますが、やがては、すべてのキャラクターがそろって戦うことになります。

9つの物語が、一つにつながる時に、彼女たちが何と戦っているのかが少しずつ明かされます。その事実は彼女たちの置かれた境遇の非情さと存在の儚さを強調します。物語が進行するほどに、よりダークな世界観が広がっていくのです。

バトルでは、メインのキャラクターを選択し、使用する武器のカードと攻撃する敵を選択して戦います。バトルは自分でキャラクターを操作する「マニュアル」と、自動的に戦闘が進んでいく「オート」の設定を選択できます。

キャラクターは「ジョブ」と呼ばれるバトルでの能力特性を持っていて、それぞれのジョブごとに得意な攻撃や相性の良い武器が設定されています。育成するには、「おそうじ」と呼ばれる敵とのバトルで経験値を積ませたり、武器や防具などの装備を強化・進化したりします。

バトルでは武器のカードと攻撃する敵を選択して戦います。マニュアルとオートのどちらも選択できます。

2017年のリリース直後から人気を博してきた本作は、6月6日の一周年を記念するイベントを開催しています。アリスの新シリーズのジョブが加わり、装備の進化や強化のための素材が入手できる特別なダンジョンも登場します。

本作の中で、9人のキャラクターの物語に共通しているのは、「作者とは誰なのか」という謎です。9人が探しているのは、そもそも同じ作者なのか。元のおとぎ話の作者なのか。あるいはこのゲームの作者そのものなのか。

拡張し続けるゲームの結末を知るには、結局は私たち自身も「作者の行方」を追うことになるようです。