MEET THE DEVELOPER

人と自然をつなぐコミュニティ

「YAMAP」が生まれた理由と、
その先に目指すもの。

YAMAP / ヤマッ‪プ‬ 登山地図・山登りGPSナビ

オフラインでも現在地がわかる登山MAP・位置情報アプリ

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「日本はこれだけ豊かな自然がある国なのだから、もっと日常的に、自然の中で体を動かす習慣を持てるのではないか――」

登山・アウトドア愛好家向けに、地図サービスとユーザー同士が交流する場を提供する「YAMAP」は、株式会社ヤマップの創業者である春山慶彦さんが日頃感じていた、このような思いから生まれました。

登山中の経験から生まれたYAMAP

もともと趣味で登山を楽しみ、自然と触れ合う習慣を持っていた春山さんが、「YAMAP」が提供する「登山地図」の着想を得たのは、2011年5月のことでした。山の中でiPhoneを取り出し、地図を開いたところ、電波が届かない場所だったため、地図そのものは表示されませんでした。それでもGPSの信号を受信し、真っ白な画面に現在位置が表示されるのを見て、表示する地図のデータさえiPhoneの中にあれば、GPSの電波を受信して、山の中でも自分の居場所がわかることに気づいたのです。

体に電撃が走ったような感覚でした。iPhoneを活用することで登山を安全に楽しめるようになるのではと思いました

春山慶彦さん

自分のiPhoneで、通信の電波が届かない場所でも、あらかじめダウンロードしておいた地図で位置がわかる。GPS受信機より大きな画面で地図が確認でき、タッチスクリーンでの操作もわかりやすい。こうした、現在の「YAMAP」ならではのメリットを突き詰め、ツールとして使いやすいAppを作ろうと決めました。

ただ、春山さんは当時、プログラミングの経験もなければ、Appの開発に携わったこともありませんでした。アイデアを具体化する手段を持っていなかったのです。そのとき相談したのが、義理の兄であり、エンジニアだった樋口浩平さん(現ヤマップ最高技術責任者)でした。

樋口さんに「多分できるのではないか」と助言され、春山さんはAppの開発に取り掛かります。地元の福岡にいたiOSエンジニアに依頼して、1年10か月の時間をかけて「YAMAP」を作りました。

地図をiPhoneにダウンロードしておけば、ルートが記載された地図をオフラインでも確認できます。

しかし、まだ登山者の半分以上は、スマートフォンもGPS受信機も持たずに山に登っており、「YAMAP」の認知を広げていく必要があると春山さんはいいます。山の遭難事故で最も多いのは「道迷い」です。もし登山者が「YAMAP」を使っていれば、現在地を認識でき、本来のルートからそれたことに、容易に気づけるかもしれません。

大切なのはコミュニティ

「YAMAP」には、登山を楽しむ人に使ってもらいたいという目的だけでなく、「登山の楽しみを広げる」という目的もあります。だからこそ、「YAMAP」のユーザー同士が交流するコミュニティの運営は、今最も重要な活動です。

「YAMAPを、Appやネットだけでなく、現実の世界で人から人へ情報伝達できる場にしていきたいのです」

自身も登山が好きな春山さん。白馬岳に登った際の一コマ。

警察庁の「平成29年における山岳遭難の概況」によると、2017年に起きた山岳遭難事故は2583件で、遭難者は3111人に上りました。その理由を警察庁では「山岳遭難の多くは、知識や経験、体力の不足が原因で発生している」と分析しています。

この状況を少しでも変えられたらと春山さんは考えています。登山を楽しみたい人たちに、安全に山に登ってもらうため、自分の体力に見合う山を選定をする知識や、いざ遭難したときの対処法、登山中の安否確認の方法など提供することで、登山者の助けになりたいといいます。「YAMAP」のコミュニティはこうした考えをもとに運営されているのです。Appやウェブサイト上でサービスを提供するだけでなく、日本各地でイベントも開催しています。そこでは遭難しないための知識や技術、遭難した時の対処法などを、プロのガイドが解説するセッションなどを行っています。

「YAMAP」のコミュニティでは、自分の活動を報告したり、他の利用者の登山履歴を参照したりできます。

遭難への対策として同社は「こんにちは通信」機能の開発にも力を入れています。「YAMAP」ユーザー同士が山ですれ違うと、どのユーザーとすれ違ったかがわかる機能です。ユーザー同士が山で出会えるのはもちろんですが、万一ユーザーが遭難した時には、どこで最後に「こんにちは通信」をしたか、データを救助隊に提供できるようにしています。

福岡から世界へ

日本の、そして世界の登山者のための「YAMAP」は、福岡で開発し、提供しています。春山さん自身が福岡の出身であることもあって、「福岡の方が生活しやすい」のが理由の一つです。多言語対応をしてサービスを提供すれば、世界中の人に届けることができます。「どこにいても、十分勝負ができる時代だと思っています」と春山さんは自信を見せます。

また福岡は、大学の数も多く、「ベンチャーとして起業するという選択肢も十分選べる環境になってきました」と春山さん。「自分たちの後に続く人が出てきてほしいなと思っています。ですから学生を巻き込んでいくことも、ヤマップの大きな仕事です。そのためにも、実績を作り、絶対諦めずにやっていこうと思っています」

北アルプス燕山荘にて。ヤマップでは、社内登山も実施しています。

春山さんは、サービス開発に大切なのは、「それが大好きであること」だと考えています。実際ヤマップの社員には、「『YAMAP』をより良いサービスにしていくには、自分たちがアウトドアが大好きで、『YAMAP』の一番の使い手であったほうがいい。もっと外に出て、アウトドアを楽しもう」と伝えています。

多くの人に、身の回りにある自然に目を向け、アウトドアでの遊びや登山を楽しんでもらいたい。「YAMAP」は、山が好きな人たちが、アウトドア好きな人たちに向けて作るサービスなのです。

    YAMAP / ヤマッ‪プ‬ 登山地図・山登りGPSナビ

    オフラインでも現在地がわかる登山MAP・位置情報アプリ

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