舞台裏

プロの将棋をとことん楽しむ

将棋連盟ライブ中継

将棋連盟公式!プロ対局観戦アプリ

表示

将棋の歴史と魅力

将棋は、長い歴史をもつ伝統的なボードゲームです。古代インドに起源を持つといわれ、平安時代の貴族から江戸時代の将軍に庶民、そして現在の老若男女まで、多くの人を惹きつけてきました。

将棋では、二人の対局者が盤を挟んで向き合い、9×9の81マスに並べた駒を交互に動かします。駒には8つの種類があり、相手の玉将(ぎょくしょう)という駒を先に取った方が勝ちとなります。

8種類の駒の動き方を覚えれば、誰でも手軽に遊べるのが将棋の魅力です。そして、その勝負の奥深さは、自分と相手の駒の動きの読み合いにあります。将棋の歴史では、「戦型」と呼ばれる戦略が数多く生み出されてきました。その研究と改良が、現在でも日々続けられているのです。

将棋の最高峰、プロの世界

「将棋連盟ライブ中継」は、日本全国に700万人いるといわれる将棋人口の中で、たった百数十人だけ存在するプロの棋士の対局をリアルタイムで配信するAppです。プロの棋士になるには、棋士の活動を運営する日本将棋連盟から与えられる、四段以上の段位が必要です。そのためには、幼少期からの努力と才能が求められます。

四段の段位を得るには、26歳までという厳しい年齢制限があります。その狭き門をくぐり、見事にプロの棋士となった指し手を待つのは、プロ同士が日々、激しい対局を繰り広げるタイトル戦の世界です。彼らが競うのは、「名人」「竜王」などの名前が付いたリーグ戦やトーナメント戦で、タイトルを獲得すれば、賞金と肩書きを手にできます。「将棋連盟ライブ中継」では、そんな棋士たちの一局一局の戦いを、まるで将棋盤の間近にいるように見守れるのです。

棋士たちの息遣いを感じるために

Appを開いたら、「観戦」にある「本日の対局」から好みの対局を選んでみましょう。その日に行われている対局を、現在進行形で観られます。無料でも対局の一部を観戦できますが、月額制のサブスクリプションに登録すれば、過去の様々な対局の記録なども含めて、見放題になります。

対局は、実際の対局に合わせて一手ずつ自動で進めつつ見ることも、自分のペースで進めて見ることも可能です。棋士がどう考えて次の一手へ進むのか、ぜひ考えながら見てみてください。盤面の下には、棋士本人のコメントや対局中の様子、食事の内容などの情報が表示されます。

画面上に盤面、下に解説やコメントが表示されます。

日本将棋連盟と共に「将棋連盟ライブ中継」を開発したのは、デベロッパの柿木義一さんです。2010年にこのAppの配信を始める以前から、MacやPCでの対局中継を手がけてきた柿木さんは、Appならではの様々な機能を盛り込んで「将棋連盟ライブ中継」を発展させてきました。

「棋士が対局する部屋には、棋士と記録係しか入れません。以前は手書きで記録されていたのが、2014年からデジタルになり、Appで配信できるようになりました。このAppには様々な機能がありますが、ユニークなのは指し継ぎの機能です。これを使うと、プロ同士が対局している盤面を、途中から自分で指せるのです」

将棋の対局は、「投了」として片方が負けを認めると終わります。しかし、それは実際に玉将が取られる前のことがほとんどです。特にプロの場合は、互いに数十手先の盤面までを読んで投了することもあります。そこで指し継ぎ機能を使えば、投了後にどう駒が動くから投了となったのか、自分で指して確かめられるのです。

将棋の戦型は、日々進化します。このAppではそれを自動判別できるのです

柿木義一さん

「『将棋連盟ライブ中継』には数多くの対局のデータがあり、棋士の名前やタイトル戦、期間などで検索できます。また、戦型での検索も将棋ファンにとっては重要です。棋士が実際に使ったのがどの戦型なのかは、判断が難しい場合がありますが、このAppでは自動判別のプログラムを用いています。そして戦型は日々進化するので、駒の位置と手順で判別できるよう、年に一度修正を加えています」

プロは「将棋連盟ライブ中継」をこう使う

棋士の対局を間近で観戦できる「将棋連盟LIVE」は、現役のプロが勝利を目指すための手段としても活用されています。

今日の対局を知らないと、明日負けてしまうこともあるんです

中村太地七段

2006年に17歳という若さでプロ入りを果たした中村太地七段は、棋士としての日々の修練にAppは欠かせないと語ります。

「『本日の対局一覧』では、その日に行われている対局の盤面が同じ画面に並びます。僕はそれを移動中や昼食中などにも欠かさず見て、最新の戦型をチェックしています。プロの場合は、今日の対局を知らないと、明日負けてしまうことも全然あるんです。以前は将棋連盟のデータベースや、対局の年鑑などを使っていましたが、情報の早さと深さが違います」

その日に行われている対局の状況を一覧できます。

「僕が将棋の魅力だと思うのは、考えて、自分の読み通りに勝った時の喜びです。うまくいった時の駒の動きには芸術性すら感じますが、負けた時は、考えても考えてもわからない時もあります。そこが魅力的なんです。そして、プロには加藤一二三先生や羽生善治先生、藤井聡太七段など、色々な方がいらっしゃいます。盤上の駒運びだけでなく、その人柄や背景にも注目して試合を見ると、将棋の楽しみ方もさらに広がっていくと思います」

81マスの盤上で繰り広げられる、駒と駒の熱い戦い。そして、その最高峰でドラマが生まれるプロの世界。将棋の楽しさにまだ触れていない方も、より深い魅力を求めたい方も、ぜひ「将棋連盟ライブ中継」でその楽しみを広げてみてください。