基本を知る

災害に備える

「備えあれば憂いなし」という言葉があるように、いざという時の準備をしておくことは、昔から大切とされてきました。いつ起こるかわからない災害に対しても、事前に備えることができるなら、それに越したことはありません。

では、備えるとは具体的に何をどうすればいいのでしょうか。そのためのアプリと活用方法を紹介します。

知っておくこと、準備しておくもの

災害に備えるために、何を準備し、どのような点に注意して対策を立てればいいか、詳細に解説してくれているのが「東京都防災アプリ」です。

東京都が制作したものですが、内容は東京都民でなくとも参考になります。

まずは「トップ」画面にある「防災をまなぶ」にある「東京くらし防災」を開き、日常生活の中で取り組める防災行動を見てみてください。「災害からいのちを守るため、まず必要なこと」として、具体的な対応がまとめられています。

災害が起きたときにしてはいけないことや、自宅や外出先などで想定される危険、避難時の注意点、家族で話し合っておくべき事柄、備蓄しておくとよいものなど、定期的に見返すだけでも役に立つでしょう。「防災レベル診断」に答えることで、自分がどれくらい対策できているかを知ることもできます。

「日頃からそなえる」にある「チェックリスト」は、備蓄しておきたい食品や生活用品のリストがあるだけでなく、非常用持ち出し袋の中身のリストや、室内の転倒防止対策チェックリストなど、参考になる情報が詰まっています。賞味期限や使用期限があるものは、ここにまとめて記録しておくと、期限が近いものは食べたり交換したりする、といった管理も簡単です。

早く正確な情報を入手

実際に災害が起きて、行動を起こす際には、判断をするための正確な情報を入手することが重要です。

地域の防災無線や、ソーシャルネットワーク上の自治体の公式アカウントが発信する情報に加えて、「NHKニュース・防災」を情報収集に活用してください。

ニュース速報がプッシュ通知で届くほか、ライブカメラの映像など、状況把握に活用できる情報が得られます。大きな災害が起きた時には、NHKで放送されている映像が同時配信されます。

地震や津波、噴火といった自然災害の情報、台風や大雨危険度などの気象情報、Jアラート(全国瞬時警報システム)の入手には、正確な情報をいち早く届けてくれる「特務機関NERV防災」も便利です。

現在位置や防災情報の種類、緊急度の高さに応じて通知を送り分けているため、緊急地震速報や津波警報などの重大な通知は、通知音をオフにしていたり、マナーモードにしていたりしても、強制的に音を出して知らせてくれます。

災害時の安否確認

災害時には、通信制限などによって、家族や友人、職場の人などとすぐに連絡を取るのが難しくなることも考えられます。iPhoneやiPadのバッテリー消費を節約する必要に迫られることもあるかもしれません。

そのような時には、通信事業者が提供する「災害用伝言板」の利用を検討してみてください。ここに文字や音声で自分の安否情報を登録することで、自分の電話番号を知る人が安否情報を参照できるほか、登録しておいた電話番号やメールアドレスに向けて、情報が登録されたことを通知できます。

ソフトバンクとワイモバイルは、災害用伝言板に文字や音声での情報を登録できる、専用のアプリ「災害用伝言板」を用意しています。これらの通信事業者と契約している場合はダウンロードしておくことをおすすめします。NTTドコモとKDDIは「+メッセージ」の公式アカウント「ドコモ災害対策」および「au災害対策」で、それぞれ情報提供や災害用伝言板へのリンクを提供しています。楽天モバイルは専用アプリがありませんが、ウェブブラウザから災害用伝言板が利用できます。

災害用伝言板は、基本的には災害が起きたときのみ開設されます。ただ、毎月1日と15日、1月1日12時~1月3日23時、1月15日~1月21日の防災とボランティア週間、8月30日~9月5日の防災週間には、災害用伝言板の機能を試せる体験サービスが提供されています。家族やパートナーなどと一緒に、安否情報の登録などを実際に試してみるといいでしょう。

実際に災害が起きたときには、前述のアプリから入手できる情報を確認することに加えて、目の前や身の回りで起きていることに対し、冷静に目を向けることも重要です。状況に応じた判断をし、自分自身を守るための行動を起こせるように、日頃の備えに取り組んでみてください。