すべての女性を祝福

ゲームの前に
考えるべきこと

Runaway Playは、どのように
女性のためのムーブメントを起こしたか。

Runaway Playの共同創設者、Zoe HobsonさんとEmma Johanssonさんが作るゲームのプレイヤーの大半は女性です。それでも自分たちのゲームが、分娩中の女性を落ち着かせることになるとは思っていませんでした。

「その方は陣痛の間ずっと『Flutter』をプレイして、気を静めていたそうです」と、Runaway Playの代表を務める、Hobsonさんは笑います。

同社のゲームはどれも、心が癒され、元気が出るような作品ばかりです。例えば、「Flutter: Butterfly Sanctuary」では、はぐれ者の幼虫を育てて、様々な生き物たちであふれる生態系を生み出すことを目指します。「ファリスタズ 猫カフェ」では、オープンしたばかりの、ネコに優しいコーヒーショップを成功させるために、かわいい猫たちとお客さんをカップリングさせなければいけません。また、「バードホテル」では、鳥がゲストとして宿泊するホテルを、細かい気配りをしながら経営していきます。

チョウが好きなら、「Flutter」のリラックスした雰囲気や美しい色彩、何百もの品種の生き物たちもきっと気に入るはずです。

「子どもの頃から、自分に合ったゲームがほとんどないように感じていました」と、Runaway Playのクリエイティブディレクター、Johanssonさんは言います。「10代の男の子向けのゲームばかりで、セクシーな女の子や、筋肉隆々の男性のキャラクターには、あまり夢中になれませんでした」

「私たちのようなプレイヤーのためのゲームが、ずっと無かったんです」と、Johanssonさんは続けます。「でも、そうしたゲームを世に送り出すことができて、とてもうれしいです」

Runaway Playのおよそ30人のスタッフは男女がほぼ半々で、出身国は10か国に及びます。こうした多様性やジェンダー平等に対する姿勢は、偶然の産物ではありません。

「多様性については常に話し合っています」と、Hobsonさんは言います。「新たにスタッフを雇用する時は、新しい視点や背景を持っている人材を加えていくようにしています」

大切なのは経営する側にもっと多様性を持たせることです。そこから障壁を壊していけますから
Emma Johanssonさん

「大切なのは経営する側にもっと多様性を持たせることです。そこから障壁を壊していけますから」と、Johanssonさんは言います。「多くの企業が、20年で5パーセント程度の多様性の向上を目標に掲げています。数百万ドル規模の企業を経営できるなら、会社の多様性だって十分改善できるはずです。そんなに難しいことではありません」

彼女たちが行動を起こすきっかけは、2017年に訪れました。地元の大学でゲームデザインを学ぶ学生たちがアイデアを売り込みに来たのですが、女性が1人もいなかったのです。

そこでRunaway Playでは、#GirlsBehindTheGamesというハッシュタグを使って、女性のデベロッパたちを宣伝するキャンペーンを考案しました。ゲーム業界に身を置く女性たちのサクセスストーリーを世に広めることで、ゲーム業界で働きたいと考えている女性たちの背中を押したい、という願いを込めたのです。

彼女たちは、ニュージーランドのJacinda Ardern首相にも協力を依頼しました。すると、事は思いのほかスムーズに進みます。アーダーン首相がRunaway Playのスタジオを訪れ、ビデオを撮影して、正式にキャンペーンが始動しました。最終的にはTwitterだけで、500万以上のインプレッション数を獲得するに至りました。

Emma Johanssonさん(左)とZoe Hobsonさん(右)は、ゲームの開発と多様性への取り組みで、何百万人もの人たちにインスピレーションを与えました。

「中には私たちのツイートに、『ゲーム業界で働くことを諦めていましたが、こうした女性たちの話を読んで、ポートフォリオを引っぱり出してきました』と、返事をしてくる人もいました」と、Hobsonさんは語ります。

Runaway Playでは、今後もゲームを開発し、ファンを増やしていく計画を立てています。とりわけテネシー州にある、高齢犬の保護団体と共同で開発した新作ゲーム「Old Friends Dog Sanctuary」には、同社のファンから大きな期待が寄せられています。

その一方で、Runaway Playは内部から業界を変えていく努力も怠っていません。「そのためには」と、Johanssonさんは続けます——「ゲーム業界で女性たちが活躍しているという、ポジティブな実例を広めていくことが欠かせないのです」