舞台裏

野球への愛が生み出すリアリズム

プロ野球スピリッツA

本格プロ野球ゲームの決定版、コナミの人気スポーツゲーム

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調子が上がった選手や下がった選手。期待の若手選手に、安定のベテラン選手。

多様な才能の選手を集めて、チームを優勝へと導くプロ野球の監督たち。長いシーズンを乗り切るために、各チームの監督は、適材適所にプレイヤーを配置すべく、オーダー表の作成に頭を悩ませます。

監督の視点に立ち、巧みにチームを采配していく、野球の魅力を楽しめるのが「プロ野球スピリッツA」です。「プロ野球スピリッツA」では、実在するプロ野球選手やチーム、球場で、白熱のペナントレースが楽しめます。好きな選手を集めて自分だけのチームを作り、彼らの性格や能力を考えながら打順や守備のポジションを決め、シーズンを戦い抜きます。

制作チームが球場に足を運び、レーザー撮影をした上で、実在する球場をゲームの中に作り上げます。

「プロ野球スピリッツA」は熱血的なプロ野球ファンはもちろん、特定の選手やチームのファンなど、幅広い野球好きに愛されてきました。なぜ多くのファンを集めてきたのか、その理由の一つは、このゲームならではのゲームで表現されたリアルな野球体験になります。スタジアムの臨場感を感じるゲーム体験はどのように生み出されているのでしょうか。

リアリズムに直結するビジュアル

「プロ野球スピリッツA」制作チームは、一目でどの選手なのかわかるビジュアルづくりを目指しています。制作チームは、プロ野球チームのキャンプに出向き、そこで選手の撮影をした上で、3Dモデリングしていきます。シーズンによってヒゲの形や髪型が変わる選手も、忠実に再現するのです。

広島東洋カープの佐々岡真司監督。監督も選手と同じように忠実に再現されています。

野球選手はそれぞれ、投球フォームやバッティングフォームが違います。中にはユニークなフォームを持つ選手もいます。例えば、東京ヤクルトスワローズの青木宣親選手や、元プロ野球選手の小笠原道大さんのフォームは、実際にそのフォームを再現するために野球経験のある俳優を起用し、その様子をモーションキャプチャして、ビジュアルを作り上げています。

ホームランを打った際に、ホームベースに帰還した選手が見せるホームランパフォーマンスは選手それぞれに異なります。それゆえ、そのパフォーマンスは、その選手を表現する大事な要素になります。モバイルゲームならではのスピード感を大切に、各選手のその年の新しいホームランパフォーマンスを、いち早く取り入れるようにしていると言います。

プロ野球の「今」を反映するデータ

例えば、10年以上活躍しているが、とあるシーズンだけ調子が悪かった選手がいた場合、その能力値の印象はファンによって変わります。ファンそれぞれに、選手への思いや評価が異なるだけに、選手の能力値設定は特に気を使っているといいます。プロ野球の「今」を反映させるという意味で、そのシーズンを反映するデータにするものの、各選手が持っている、「調子が悪くてもキラリと光るもの」が特殊能力などで追加されています。

プロ野球スピリッツA制作チームは、例えばピッチャーなら、「球威は落ちても、やっぱりこの選手のスライダーはいいね」とプレイヤーが感じるように、各選手のコンディションを考慮しながら、バランスを調整しています。

実際の野球を作り上げるサウンドも 「プロスピ」の世界に

球場全体が一つになる応援歌、応援団のトランペットの音色、テレビ中継の解説。野球観戦でこの白熱した雰囲気をつくり出す要素として、サウンドは切っても切れないものでしょう。

例えば、「プロ野球スピリッツA」の解説に目を向けてみましょう。本作の解説は、仁志敏久さんと小宮山悟さんが担当しています。オプションから赤星憲広さんと里崎智也さんを追加することもできます。彼らの解説の収録は、台本はもちろん、アドリブも多く交えて行われます。サヨナラホームランが出た時、チャンスの時、逆にピンチの時などの場面設定を作り、彼らの考えを取り入れながら、臨場感あふれる解説を収録しています。

球場のサウンドが試合をさらに盛り上げます。

その他にも、トランペットを実際に吹いて収録したり、実際にスタジオに入って歓声を収録したりするなど、できるだけ球場の雰囲気を感じられるサウンドになるよう、こだわって作り上げています。

野球への愛がプロスピをプロスピにする

「プロ野球スピリッツA」制作チームには、大学を卒業するまで野球をしていたメンバーや、熱血的な野球ファンが多く在籍しています。そんな彼らは、プロ野球のドラフト会議をチームメンバーで集まって見守ったり、社内で野球部を作っていたりと、野球を愛する人ばかりです。

野球を愛する彼らが「リアルな野球」を求めるからこそ、「プロ野球スピリッツA」が、プロ野球選手を始めとする幅広いファンから愛される作品になったというのもうなずけます。すべての野球ファンにプレイしてもらいたいと話す制作チームは、これからも、その思いをゲーム制作の根幹に置いて、挑戦し続けます。