プライド

自分の色を表現する新しい出会いの形

Tinder- マッチング・出会い系アプリ

出会い・婚活 友達 ・恋人探しのためのマッチングアプリ

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1969年6月28日の早朝にアメリカのニューヨーク市で、一件の事件が起きました。警察がゲイバーの「ストーンウォール・イン」への踏み込み捜査を行なったのです。この捜査に対して、顧客や支持者たちは抵抗し、彼らの運動は数日間続きました。今日“ストーンウォールの反乱”と呼ばれるこの出来事は、世界中の性的マイノリティの解放運動へと拡大し、また今日のLGBTQ+の権利獲得運動につながる非常に重要な出来事として、捉えられています。そしてストーンウォールの反乱を記念して、アメリカをはじめ多くの国や地域で、6月がLGBTQ+プライド月間となっています。

ジェンダーアイデンティティを含む、人々の多様性により多くの注目と協力が集まるようになっています。オンラインで人々と出会う機会を提供する「Tinder」もまた、そうした多様な出会いの機会が生まれる工夫を行なっているAppの一つです。Tinder Japanは2021年4月に開催された東京レインボープライドのオフィシャルスポンサーを務めています。

Tinder Japanの広報を担当する永野久美さんに、人々の多様な出会いを生み出すためにこだわっているところや、昨今の社会情勢の変化に伴うApp上での人々の出会いやコミュニケーションの仕方の変化について聞きました。

アメリカのZ世代から
広がったApp

「Tinder」はアメリカの大学のキャンパスで生まれ、その後18歳から25歳のZ世代を中心に広まっていったと永野さんは言います。

永野さん:「今も日本も含めて、Z世代のユーザが多く利用しています。この世代の特徴として、まだ価値観が固まりきっていない、自分の好みも定まっていない、それゆえにいろいろな人と出会ってみたい、という他者と出会うことにオープンな人が多いことが挙げられます。自分自身についても、他者についてももっと知りたい、そういう人たちの価値観に寄り添うAppであろう、というのが『Tinder』のアイデンティティとしてあります」

2021プライドウィーク期間中に
舞った祝福の紙吹雪

2021プライドウィーク期間中には、祝福の紙吹雪が画面に舞う機能を搭載したり、性的指向と性別を表示できる機能を設定しましょう、というメッセージを入れた広告カードを出したと言います。4月24、25日には「プライドを応援しています、会場に行きましょう」というカードも流しました。永野さんに、こうした日本での取り組みの経緯を聞きました。

2021プライドウィーク期間中には、祝福の紙吹雪が画面に舞う機能を搭載しました。

永野さん:「私自身は2020年4月に入社して、会社としてすぐにLGBTQ問題に取り組みたいと提案したのですが、昨年はタイミング的に間に合いませんでした。その後、社内では当然のようにそれはぜひやろうと話が進み、今年初めて東京レインボープライドのオフィシャルスポンサーとして参加することになりました」

自分らしい方法で
自分を伝える選択肢

「Tinder」は利用者が、App内で自分自身を紹介する際に、年齢や性別などの属性だけでなく、それぞれが自分らしい方法で自分を伝えられるように工夫していると言います。

永野さん:「Tinderが掲げるミッションとして、『Tinder is for Everyone』というものがあります。『すべてのみんなのもの、すべての人を歓迎したい』という意図があります。人種、国籍、性別を問わず、フィルターを外した形での出会いを重要視しています。そのため、自分が出会いたい相手の性別を「男性、女性、みんな」と自分で設定できます。また自分の性的指向や自認している性を表示できる機能も導入しています」

こうした機能によって、より多くの人によって使いやすく、多様な使い方ができることを目指していると永野さんは言います。

永野さん:「個人的にも、そうした自分のアイデンティや指向を表明することが当たり前の世界にもっとなるといいな、という思いもあります。2021プライドウィークを機に、プロフィールの名前の下に表示される「関心ごと」に LGBTQアライという選択肢を追加しました。こうした工夫が、性別や性的指向に対する偏見をなくすことにつながったら良いな、という思いも。今回の2021プライドウィークにおける活動が日本での最初の一歩になります。LGBTQ+のサポート団体、支援団体など、コミュニティーの人たちとコミュニケーションしながら、何が必要か、どういったことが必要かなど、今後も聞いていこうと思っています」

性的指向と性別を表示できる機能を設定しましょう、というメッセージを入れた広告カード。4月24、25日にはPRIDEを応援しています、会場に行きましょう、というカードを流した。

同じ趣味を持つ
友だちを探す時にも

多様な出会いの場として機能できるように、「Tinder」では前述のLGBTQアライのように、自分の興味や関心ごとを5つまで選べます。それは表示して相手を知るきっかけに使うためのもので、フィルターとして絞り込む機能にはしていないと言います。

「『Tinder』の最大の特徴は、フィルターが少ないことです。相手を選別するフィルターが最小限しかなく、また自分で条件を設定する『年齢の幅』『相手の性別』『自分からの距離』の3つだけです。他のサービスには、収入や職業、趣味、身長、年収などがそれぞれフィルターになるものもあると思いますが、『Tinder』ではそれはやっていません。好みの人を属性で選別せず、いろいろな人と出会ってみる、というのがコアにある価値観です。思いがけない出会いに価値がある、色々な人と出会える可能性があるのが、『Tinder』の面白みだと考えています」

また出会う=相手と恋愛をする、という目的に限定してもいないと言います。

永野さん:「私たちは、『Tinder』でつながった二人がその関係性をどう発展させていくかは本人たち次第であると考え、すべての出会いがメンバーの世界を広げるきっかけとなってほしいと思っています。直接コミュニケーションのきっかけを広げる方向で設定しているので、ビデオ通話機能は実際に会う前に、相手と話して相性を確認するというセキュリティ的な側面もあります。新型コロナウィルス感染症の環境下では、新しく人と出会う場として、以前よりもビデオ機能がより活用されていました」

オンライン上での出会いやコミュニケーションの安全を図るための施策は、どのように取り組んでいるのでしょうか。

永野さん:「安全という概念に関しては4つの柱があります。『機能』『AI監視』『声かけ』『違反報告』の4つです。『機能』については、なりすましの防止のため、プロフィール写真が本人のものであることを確認できるようにしています。自分自身の写真を撮影してもらい、それをアップロードすると、元々アップしているプロフィールの写真と同一人物か確認し認証されると名前の横に青いチェックマークが付きます。また『違反報告』も健全なコミュニティーを維持するために重要だと考えていて、マナー違反やルール違反への報告を積極的に呼びかけています。『AI監視』は24時間対応しています。ポリシーに違反する不適切な写真などがあった場合も、AIで検知します。一番の特徴はデータ量が膨大であることです。Tinderは190カ国以上で使われているので、例えば差別的な言語表現なども、常に更新しています」

今回の取り組みは、ジェンダーに対する多様な考え方を学ぶきっかけにもなったと言います。

永野さん:「今年のプライド期間をきっかけに私たちもZ世代のジェンダーに対する考え方について色々と学びましたが、その中でも印象的だったのが、『以前と比べてジェンダーは人を定義づける属性ではない』に『そう思う』と回答している人がZ世代の30%以上を占めていることです。性的指向を先行して導入していた国々では導入から1年の間に62%のメンバーが性的指向を設定しています。中でも多様性と包含性に対して偏見にとらわれない自由な考えを持つと言われる Z 世代のメンバーは、ミレニアルやX 世代のメンバーに比べて性的指向を設定する割合が20%多く、『クエスチョニング&ストレート』というように、複数の性的指向を選択する人が37%多くいます。

App内の機能が、ユーザ自身がジェンダーの多様な考え方を知るきっかけともなっているようです。

永野さん:「日本ではまだ導入間もないですが、導入後には、『こんなに多くの性的指向が存在することを初めて知った』『性的指向を1つではなく3つ選べるのがいい』『性的指向を表示したら同性からLikeがたくさん来るようになって嬉しい』などの感想が寄せられています」