MEET THE DEVELOPER

AR/VRアートとの新たな出会い

アーティストと観客が出会う場所、「STYLY」の可能性。

STYLY

AR/VR CREATIVE PLATFORM

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iPhoneやiPadを通じて、実在の場所や風景にバーチャルな映像を投影できるAR(拡張現実)。または、ユーザーが没入できるバーチャルな環境や空間を映像で作り出すVR(仮想現実)。「STYLY」は、こうしたARやVRを用いて作られたアート作品に、手軽に出会えるアプリです。

5万人以上のアーティストと、7万点以上の作品が待っています。

アプリを開いたら、気になる作品を選んで「見る」をタップしましょう。AR作品なら、近くの床や机などの平面を画面に映して認識させると、バーチャルな映像効果が始まります。VR作品なら、iPhoneやiPadの画面に作品の世界が映し出されるので、端末をかざしながら移動したり、矢印のアイコンをタップして視点を変えたりして、バーチャルな空間を細部まで見られます。

まずは、「STYLY」で出会える素晴らしい作品の一例を紹介します。

CHIHAYABURU

作品名: CHIHAYABURU
クリエイター: Ryo Takegawa from xorium
作品の種類: AR

「八百万の神様の具象化」がテーマの本作では、現実世界の平面がダイナミックな音楽と共に躍動するARのアートが楽しめます。クリエイターのRyo Takegawa from xoriumさんは、そのコンセプトをこう話します。

「作品名の“CHIHAYABURU”(千早振る)には、勢いが激しいという意味があり、表現が次々に目まぐるしく展開されて、圧倒されるようなアニメーションを作り込むのに苦労しました。もっとも注力したのは、リアルとバーチャルの境界を溶かすことです」

JACKSON kaki is dancing

作品名: JACKSON kaki is dancing
クリエイター: JACKSON_kaki
作品の種類: AR

本作では、同じ見た目のダンサーたちが風景の中に現れて、そろって踊る情景が見られます。見慣れた街角や部屋が、まるで地下のクラブや不思議な祭りに一瞬で変わるような感覚を楽しんでください。クリエイターのJACKSON_kakiさんは作品の裏側と、込められた想いをこう明かします。

「映像の中で踊っているのは、実は僕自身なんです。複数人の自分が登場する気持ち悪さを表現しました。不気味な感じです。今後は、なぜ人間がバーチャルリアリティーを受容することができるようになったのか、概念的にARやVRを解釈して、表現に落とし込みたいと思っています」

STYLYに作品が集まる理由

なぜ、こうした多彩なアート作品が「STYLY」に集まるのでしょうか。その理由は「STYLY」が、ARやVRの作品を手がけるアーティストにとって、自分の作品を手軽に発表できるプラットフォームとして作られているからです。

「STYLY」の開発と運営を手がけるデベロッパ、Psychic VR Labのチーフ・メディア・オフィサーである渡邊遼平さんは、その仕組みをこう説明します。

「『STYLY』は様々な作品をApp内で楽しめるギャラリーとして用意している一方、『STYLY Studio』というウェブ上の制作ツールも提供しています。『STYLY Studio』では、ウェブのブラウザやUnity、BlenderといったCG制作のツールで作った作品をそのままアップロードして、すぐに配信できるんです。

さらに大きな利点は、その作品がアプリやウェブはもちろん、ARグラスやVRゴーグルといったデバイスでも体験できるように、私たちがプラットフォーム側で変換などの必要な作業を行っていることです。本来であれば、それぞれのデバイスに合わせてアーティスト側からエンジニアリングの準備が必要なんですが、かなり大変な作業になることが多いんです。『STYLY』であれば、その労力と時間を作品そのものに向けられます」

アーティストを突き動かすもの

ここまで読んで、気づいた人もいるでしょう。ストーリー冒頭の動画には、3Dグラフィックで描かれた渡邊さんが登場しています。彼を取り巻いて映し出されたものも、すべて「STYLY」で楽しめるVRアート作品です。それぞれ「SUN AND ROOSTER」「Undine AR」「BONDANCE_PARTY」という作品名で検索して、バーチャルな世界を探索してみてください。

使用されている3作品のうち、「SUN AND ROOSTER」と「BONDANCE_PARTY」を制作したアーティストのgodscorpionさんによれば、「STYLY」の魅力は使いやすさだけでなく、他のアーティストからの刺激や、未知の感覚を模索することにもあると言います。

「『STYLY』のフィードに流れてきた作品を、パッと自分のいる空間にARで出した時、思いがけない見立てが立ち上がったり、他のアーティストの世界感覚が自身がいる空間に溶けたりして、新たな刺激を受けることがあります。

XR(ARやVRの総称)やテクノロジーは、人類がまだ獲得できていないイメージや体験を、魔術のように個人や人間社会の内側に取り込んでいくものだと感じます。そこに面白さを感じるので、これからも未知との遭遇や発見、テクノロジーと人々との共創の在り方を、作品を通して模索していきたいです」

STYLYが目指す未来

数多くのアーティストと作品が集まる場として成長しながら、「STYLY」はどこへ向かうのでしょうか。Psychic VR Labの渡邊さんは、アプリを超えて広がる様々な取り組みに、未来への期待を込めてこう話します。

「今後の方向性として、都市空間や町でARを体験する、という取り組みが始まっています。例えば、渋谷のスクランブル交差点で『STYLY』を通して風景をスキャンすると、そこでしか見られないARアート作品が体験できるんです。新型コロナ以降、オンラインが重視されるライフスタイルが広まった中で、新しい体験を都市にインストールして、もう一度街に人を呼び戻せれば、観光業としても新しいアプローチになるかもしれません。

渋谷スクランブル交差点で鑑賞できるアート「METADIMENSIONS」。

さらに未来の想像をすれば、XRの技術が進化することで、現実がより多層化された環境で生きるのが普通になると思っています。例えばペットボトルが卓上に置いてあったとして、それがリアルかバーチャルか判別が付かなくなっているかもしれません。そうなると、1980年代にウォークマンが登場した時に、街の風景に合わせて音楽を聴くことで新しい感覚が生まれたように、街歩きが視覚的に面白くなったり、わくわくするものが増えたりしていくといいなと思います」

ARやVRから広がる新しいアートの世界や、アーティストとの出会い。それはもしかすると、あなた自身がアートを創造したり、未来を楽しくしたりする変化を起こすきっかけになるのかもしれません。その扉を「STYLY」から開いてみてください。