飽和状態のこのジャンルにあって、見事にど真ん中の面白さや没入感を創り上げていると思います。特徴のないグラフィックやテンプレ進行だらけでやっつけのように作られているものや、逆にギミックや難易度を変化球的に過剰にしちゃう作家ぶった作品を創るかたやそれを賞賛する方々なども多い中でこの王道が心地よかったです。サクサク系の入力を数多く配置する中のいくつかの思考要素のバランスが見事。折り紙は先ず当たり前の試行錯誤が全て正解ではないとなった末に、ではどういう事か？と考え、少しの観察力とアプローチの飛躍で閃く作りが快感でしたし、それを前例としたからこそわかる最後の数式のひとひねりも巧いですね。白黒ボタンの置換問題もふたつの要素を掛け合わせる事を閃かせるひと手間が良かった。脱出ゲームは(自力で)脱出出来てスカっとする事が存在意義です。どうやっても降参するしかなく、ヒントを見てそうかぁ〜と悔しく唸ったりえぇ〜？と落胆したりする作業ではありません。

まずはマイナス点から。他の方も書かれていますが、移動に難ありで、「いや、そっちに行きたいんじゃなくて」が結構ありました。ヒントのメモの類がアイテムとして持てず、スクショも撮れないため、再度確認しようと思うと、いちいち戻ることになり、移動が増えて忍耐力が試される感じです。これは、クリア済みのヒントはクリックできなくする仕様のゲームに慣れていると、尚更煩わしく感じると思います。あとは、パーツを見つけて取り付けるギミックが多く、ワンパターンな印象が否めませんでした。プラスの面は、個人的にはBGMとSEのボリューム調節ができることが、本当にありがたいです。雰囲気に合ったものなら、合わせて楽しみたい要素ですが、調節できないと私にはうるさ過ぎて消さざるを得ないので。グラフィックもきれいで風情があり、ゲームのテーマに合っていたと思います。ギミックは、最後の時計絡みのものだけヒントのお世話になりました（時計と結びつかず）。全体的な難易度そのものは、それほど高いというわけではなく、私の記憶力でもメモ無しでいけました。

タイトル通りです。問い合わせセンターのようなところがないので、こちらに書かせていただきます。出口の鍵を手に入れるための謎ですが、解けなかったので答えをみました。表示された答えの画像では扉を閉めた状態だと数字が重なって見えますが、自分の　iPhone12mini では扉の数字はプロジェクターに投影された数字の上に表示されたので、扉を閉めたまま後ろに下がりましたところ、かろうじて扉の数字は見えるものの、プロジェクターの数字は消えて見えない状態でした。他の方のレビューをみた限り、そちらで想定していない機種でのプレイで起こったバグだと思ったので、ご報告しておきます。

グラフィックは綺麗で素敵ですが操作性が悪い。感覚的にサクサク動けない。感覚的に視覚を移したくて『＞』を押すと右側のギミック用の別視界になる。視線の真後ろの部屋に入りたい時、『＞』を2回押して入口を見たい。『∨』で真後ろの部屋に行けるようだが、後ろ向きに部屋に入ってるみたいでキモい。視界が急に変わるので自分が今どこの部屋に入っているのか分かり難くなる。その為に地図を用意しているようだが感覚的操作にしていれば地図は要らないはず。プレイヤーが操作方法に慣れてそう言うゲームだと割り切ればいいだろうがレビューなので言いたいことを書きます。窓越しに折り紙を見る謎解きについて、折り紙を置くまで窓越しに見られなかったのに置いた後なら見られる様になるのがモヤモヤした。個人的に後出しジャンケンされた気分になる。ここのあたりで冷めてつまらなく感じてしまいクリア前にアンストした。