前作と比べて最も違う点は、「戦闘パート」が追加された事。集団による人質立てこもり事件やギャングのアジト襲撃などで、警官たちを指揮して戦闘を行う事になる。テーザー銃やスタングレネードなどの武器を使ってこちら側よりも多い敵を倒して全滅させたり、最奥地にある爆弾を解除したり、人質を助けたりする。前作では実際に見ることのできなかった警官たちの活躍を楽しめるのは良いアップグレードだと思う。また、こちらは前作からもあるが、「推理パート」も含めた事件解決以外にも、特定の警官とブラックジャックで賭け事をしたり、事件性はない単なる人助けとして面白い出来事に関わったりして、選択次第で展開が変わるのは、ゲームを単調にさせない細かな工夫の表れと評価できる。しかし、やはり良くも悪くも「ボリューム」が本作のプレイヤーの評価に大きな影響を与えている。前作同様、フルボイスの「ドラマパート」がかなりの長さであり、このゲーム性も相まって、途中で飽きる人は多い事だろう。じっくりと進む物語に嫌気がさすという人は、画面を長押しタップして、ドラマを飛ばしてもいいと思う。ストーリーを完全に把握していなくても、楽しめるゲームである事は間違いない。100点満点をつける事は難しいが、それでも本作は前作から更にバージョンアップして、その面白さをより増したものとなっている。一番の利点はやはり「コスパ」。このたっぷりなボリュームでこの低い値段は普通に考えて有り得ないので、ぜひ一度プレイしてみてほしい。

動かない。

敵組織がアジトにしているサーカス跡地に潜入するミッション。見つかった時点でゲームオーバーで、敵が時々謎の第六感を発揮していきなり接近してきたりする。普通にプレイするだけでも超難関ステージ。途中セーブも出来ない上一日の最後に待っているミッションなので（リトライ自体は可能ではあるが）途中でやめる事もできない。慎重に慎重を重ねて2時間くらいプレイしてやっと敵ボスを追い詰め、逮捕。するとボスが消滅。そのあと何をやっても何のイベントも起きず、30分くらい粘ったが泣く泣くギブアップ。二度とやりたくない。ふざけるな。

魅力的だがやたらと長いドラマパート、面白いが隊員に悩まされる戦略パート、悪くはないが一瞬で崩される戦闘パート、これらが絶妙に噛み合っていないのが痛いドラマパートはちょっとした洋画を観ているようで楽しめたものの、飛ばせるとはいえ一場面が冗長で、時間のかかるゲームパートと噛み合っていない戦略パートはある程度時間を食うためドラマの箸休めとしてはやや重すぎ、さりとてこの手のゲームとして見ると些か練り込みが甘い。にも関わらず隊員の疲労・サボタージュ・怪我などで人手が足りなくなる割に補充が難しいので円滑な進行が困難と言うおまけ付き特に戦闘パートに関しては、下手に動くと隊員が瞬殺されるほどシビアなのに途中セーブが不可と言う常にXCOMのアイアンマン状態なので練習もままならない（やり直すにはその日の最初からになる）こと、個々のスキルや武装が多種多様すぎて戦力計算が面倒なため作戦が立て難いことなどが非常に不親切な設計であると感じた本職と比べるのも酷だが、前述したXCOMのようにある程度画一的な能力・装備を持つ職種に隊員を分けられていれば良かった結論としては「欲張りすぎたせいでゲームとしての方向性が迷子」と言う酷評になってしまったが、個々の要素自体をそれぞれを独立させて「orwell keeping an eye on you」のようなドラマ・諜報特化、「911 operator」のような戦略・捜査特化、「XCOM」のような戦闘・作戦特化、それぞれに長じた警察ゲームに仕上げていればまた違ったかと思うこれらを半端なクオリティで混ぜてしまったのが不味かった。今後の作品に期待したい