2020年、ゲームは単なる遊びの手段ではなく、人とのつながりを保つものになりました。そして「Pokémon GO」ほど、それが実感できる作品はありませんでした。
一大ブームを巻き起こした、このAR(拡張現実)ゲームのファンにとって、2020年は厳しい試練に向き合う年でした。現実世界で、不要不急の外出を自粛せざるを得ない中、仲間と一緒に屋外を歩いてポケモンたちを捕まえるこのゲームを、どうやって楽しめばよいのでしょうか。
デベロッパのNianticは「Pokémon GO」のファンが仲間との絆を保ちながら、こうした時期でも遊び続けられるよう、様々な対策を考えました。「『Pokémon GO』は探検したり、人と交流したりするゲームです」と、リードプロダクトマネージャーのMatt Slemonさんは言います。「そこに背を向けることはしたくありませんでした」
今では、プレイヤーは家にいながら、レイドバトルに参加できます。クエストや実績を解除するための距離条件も緩和されました。ポケストップを訪れなくてもゲームを楽しめるよう、ボールや回復アイテムなどが入ったギフトボックスはお得に提供され、入手しやすくなっています。
驚いたことに、Nianticはゲームの前提すらも変えてしまいました。ズバットやポッポといったポケモンたちが今までとは反対に、プレイヤーの近くに出現するようになったのです。ポケモンをおびき寄せる「おこう」は、事実上無料で提供され、ゲームの悪役であるGOロケット団もポケストップから解き放たれ、気球に乗ってプレイヤーの近くに現れるようになりました。こうしてプレイヤーは、ソファでくつろぎながらでも、シャドウポケモンと戦えるようになりました。
こうした改良の結果、プレイヤーは外へ出なくても探検を続けられるようになりました。そして、「Pokémon GO」の広大な世界の中で、仲間との絆を保つことができたのです。