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ポケモン誕生から25周年

1996年2月27日、任天堂のポータブルゲーム機、ゲームボーイ向けのゲームとして、「ポケットモンスター 赤・緑」が日本で発売されました。2021年2月27日、「ポケットモンスター」は、誕生から25周年を迎えました。この25年間で、ポケモンは800種類以上が発見され、今では生活の中で様々な形で出会うことができる、身近な存在になっています。

むしとりしょうねんが生んだポケモン

「ポケットモンスター」シリーズは、現在も同作の開発を手がける株式会社ゲームフリークにおいて、代表取締役でゲームクリエイターの田尻智さんが、小学生の頃に親しんだ昆虫採集の体験を元に考案したのが始まりです。

日本の小学生がかつて、珍しい昆虫を捕まえたり、捕まえた昆虫を友達と交換したりしていた楽しみを、ゲームで再現できたら面白いのではないか。そう考えた田尻さんが企画を任天堂に持ち込んだのは、1990年のことでした。

約6年の歳月を経て発売された「ポケットモンスター 赤・緑」は、友達や家族など、他のプレイヤーと一緒に楽しめるゲームだったこともあり、多くの人たちの心を捉えます。

「ポケットモンスター 赤」と「ポケットモンスター 緑」に登場するポケモンは、それぞれ出現しやすさが異なり、どちらか一方にしか登場しないポケモンもいました。そして「ポケットモンスター 赤」と「ポケットモンスター 緑」は、通信ケーブルをつないで通信が可能で、他のプレイヤーと、捕まえたポケモンを交換することができました。

カントー地方を舞台に、151種類のポケモンと出会う冒険の旅に、人々は熱中します。

アニメで人気になったピカチュウ

1997年4月には、テレビアニメ「ポケットモンスター」の放送が始まり、小さい子どもや、ゲームをやらない人たち、あるいはゲームをプレイできない人たちにも、ポケモンの人気は広がっていきます。

ちなみに「ポケットモンスター 赤・緑」で、プレイヤーが最初にパートナーとして選ぶポケモンは、フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメのいずれか1匹でしたが、テレビアニメで、主人公サトシのパートナーになったのはピカチュウでした。

ゲームをプレイしている視聴者にとって、最初に選ぶ3匹のどれかがサトシのパートナーになってしまうと、その1匹を選ばなかった視聴者との間にギャップが生まれてしまうため、ゲームでは最初に選ぶことができないポケモンにすることになったといいます。

ゲームの中のピカチュウは、スタート地点のマサラタウンを出て、最初に立ち寄るトキワシティの少し先にある、トキワのもりで捕まえられる、珍しいポケモンでした。アニメ制作前から人気の兆しがあったことから、サトシのパートナーに選ばれました。

今や「ポケモン」といえばピカチュウを思い描く人も多いほど、よく知られたポケモンですが、25年前はあくまでも151種類のポケモンのうちの1匹でした。アニメとともに、ピカチュウは世界中で知られる存在となったのです。

日本から世界へ

ゲームからテレビアニメへと広がった「ポケモン」は、さらに人々に愛される存在になっていきました。1998年には映画「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」も公開され、以降日本では映画も毎年公開されています。

海外では、ゲームよりも先にアニメが放送された地域も多く、ポケモンのゲームはアニメの世界をより深く体験してもらうものとして受け入れられました。

北米とオーストラリアでは1998年に、ヨーロッパでは1999年に「Pokémon Red / Blue」が発売されています。

ゲームボーイ向け「ポケットモンスター 赤・緑」のポケモン図鑑に載っていたピカチュウは、今とは雰囲気が少し違っていました。

世界中で「ポケモン」が愛されるようになった理由の一つには、その名前が深く考えられている点も挙げられるでしょう。

ポケモンの名前は、由来が分かりやすかったり、日本語として面白い言葉の並びだったりするのが特徴ですが、日本語以外の言語に翻訳される際に、こうした名前が、他の言語でも生き生きとしたものに感じられるように翻訳されています。

例えばフシギダネは、英語ではBulbasaur(バルバザー)といいます。日本語では、不思議な種を背負っているためフシギダネと名付けられたわけですが、英語は種を意味する “Bulb" と、恐竜を表す “Saurus" を合わせた名前になっています。実際にアメリカ人に確認して、Bulbasaurは「ツボミを背負ったトカゲや両生類をイメージする」といわれ、採用されたそうです。

へびポケモンのアーボは、英語ではEkans(イーカンス)です。一見、日本語と英語に関係がなさそうですが、Ekansを逆から読むと、“Snake”であることが分かります。

2020年3月末の時点で、テレビアニメの放送実績があるのは、176の国と地域にのぼります。また「ポケットモンスター ソード・シールド」や「Pokémon Masters EX」は9言語に対応、「Pokémon GO」は10言語、ポケモンカードゲームは11言語に対応してリリースされています。

iPhoneやiPadでもポケモンと遊べる

ゲーム機だけでなく、iPhoneやiPadでも、ポケモンたちと出会い、遊ぶことができます。

「Pokémon GO」では、自分自身がポケモントレーナーとなって、「ポケットモンスター」の世界を体験できます。現実の世界と同じ地図上に出現する、様々なポケモンを探して街を歩き、モンスターボールを投げてポケモンを捕まえられるのは、ゲームやテレビアニメで描かれたトレーナーそのものといっても過言ではありません。友達とのポケモン交換や、他のトレーナーとのポケモンバトルなども楽しめます。

また「Pokémon Masters EX」では、「ポケットモンスター」シリーズで、越えなければならない壁としてプレイヤーの前に立ちはだかったジムリーダーや四天王、チャンピオン、さらには主人公たちまでもが、それぞれのパートナーポケモンとバディーズとなって、一緒にチームで闘ってくれる新たなバトルが行われています。懐かしいキャラクターや、かつての自分の分身だったキャラクターとも再会できるでしょう。

「Pokémon Café Mix」のように、新たな世界観でポケモンとの日常を楽しめるゲームや、子どもたちの歯みがきの習慣化をサポートする「ポケモンスマイル」のような、冒険とはまた違う形でポケモンと出会えるタイトルもあります。

これまでに「Pokémon GO」やゲーム機の「ポケットモンスター」シリーズの作品でつかまえたポケモンを、預けたり、交換したりできる「Pokémon HOME」のような便利なAppも登場しています。

いつでも身近に存在するポケモン

ポケモンが世界中で愛されるようになった裏には、多くのファンがいることはもちろんですが、ポケモンが様々なジャンルで展開されていることが大きいと言えます。

ポケモンに関連する様々なゲームやAppが楽しめるだけでなく、ポケモンのオフィシャルショップとして、ゲームの中の施設と同じ名前の「ポケモンセンター」という店舗があったり、グッズや衣料、食料品のパッケージにいたるまで、多様な形でポケモンに触れる機会もあります。

最後に株式会社ポケモンから、世界のポケモンファンへのメッセージをお届けします。

いつもさまざまなゲームやAppを通して、ポケモンを応援していただきありがとうございます。「ポケットモンスター 赤・緑」から始まり、「ポケットモンスター ソード・シールド」に至るまで、様々な冒険を相棒のポケモンたちとともにされてきた方もいらっしゃると思います。

この25年の間に、ポケモンは世界中のユーザーと交換やバトルができるようになり、国や地域、そして文化を超えて、ポケモンを媒介とした交流が生まれています。「Pokémon GO」では現実世界を舞台にポケモンを探し求めることができるようになりました。株式会社ポケモンの社是に掲げている「ポケモンという存在を通して、現実世界と仮想世界の両方を豊かにすること」は、決して理想ではなく、すでに目の前に起こりつつあります。

25周年を迎えることは、今後も続くポケモンの歴史の一つの通過点に過ぎませんが、これからもすべての人にそれを実感していただけるよう、よりよい仕組みを今後も構築し、発信し続けていきます。

世界中の多くの人に身近な存在となったポケモンたちと、25周年をお祝いしましょう。

©2021 Pokémon. ©1995-2021 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
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