一人でやる事にこだわっているわけじゃない。ただ、自分が一番自分を知っているだけ
Doul
歌詞やトラックの制作、楽器の演奏、舞台でのパフォーマンス。衣装やヘアメイク、写真や動画を通した表現。広くオーディエンスに届けるためのプロモーション。これらを一人でこなし、驚きのスピードで日々進化しているアーティストがいます。
福岡出身のアーティスト、Doul(ダウル)さん。18歳の彼女は、メッセージ性の強い英語のリリックを、自身の力強さと妖艶さを併せ持つ声で歌い上げます。
「母のお腹の中にいる時も生まれてからも、親の影響で常に洋楽に触れていました。特にEminemやLinkin Parkには影響を受けました。ずっと自分の周りには音楽という存在があり、小学生の頃には車の中で聴くために、自分でミックスしたCDを作っていました」
「ピアノを習っていたわけでもないのに、耳で聴いたものをピアノで弾いてみたりしていました。楽譜も読めず、感覚で弾いていただけなのに、合唱の伴奏に選ばれたりもしていました」
Doulさんは、好きなアーティストの中にNirvanaがいることから、ギターの弾き語りに憧れを抱いていました。そして、12歳のクリスマスにギターを手に入れてから、自分はアーティストとしてやっていきたいと思うようになったと言います。
「14歳ぐらいの頃から、自分の数年先までの人生像を思い描いていました。幅広い人に聴いてもらうために、ずっと英語で歌っています。初めから世界を見据えているし、日本人、アジア人、18歳、新人、そんなキーワードにとらわれず、フラットに受け取ってほしいという思いがあります」
死ぬまで大切にし続けること。それは「Never stop questioning (疑問を持ち続ける)」
Doul
「毎日ストリートライブを繰り返し、ライブハウスに行きブッキングし、福岡や名古屋でワンマンライブを敢行していました。自分が行動に移せば、どうにでもなる。一人でやる事にこだわっているわけじゃないんです。ただ、自分が一番自分を知っているだけ」
自分をどのように見せるのがいいのか。常に明確なアイデアがある彼女は、各ソーシャルネットワークをプロモーションのツールとして駆使してきました。
「『Instagram』ではファッションを中心とした写真、『YouTube』ではギターの弾き語り、『TikTok』ではダンスなどの短い動画、『Twitter』では情報発信と、それぞれのチャンネルを使い分けながら、自分の表現を発信してきました」
「自分の表現という意味で、写真や動画の加工、そして、編集は大切だと思っています。写真は『Picsart』、動画は『Videoleap』や『TikTok』などで編集しています」
飛躍の1年を過ごした彼女は、過去の自分が未来への原動力となっている、と話します。
「自分は負けず嫌いで、とにかくナルシスト。自分の弱さや欠けているものがあるとすごく気になるんです。自分の改善点がすごく見えるので、自分を磨いてモチベーションを上げていってます」
「自分の中で大切にしていることがあります。それは『Never stop questioning (疑問を持ち続ける)』。14歳の時に持っていた自分の未来像も、たくさんの『なんで?』があったからこそたどり着いたもの。きれい事はいいたくないので、それが世の中に対する疑問や怒りであっても、自分のアイデンティティに忠実に、メッセージを発信していきたいです」
14歳の頃からの変わらない未来像とともに、彼女は自分を表現し続けるのです。
* インタビューと撮影は2021年9月、都内某所にて行われました。