3月は女性史月間

女性たちを元気にする力

Naomi Heartsさんが明かす、元気が出る動画を作るためのヒント。

「今の世の中では、私のような“プラスサイズ”のラテン系トランスジェンダーが広く受け入れられないことはわかっていますが、それでも構いません。みんなから愛されなくても、私は自分のことを愛していますから」

自信を持ってそう言い切るNaomi Heartsさんの姿は、多くの人を勇気づけています。彼女のTikTokアカウントが90万人以上のフォロワーを集めているのも、驚きではありません。

服の試着でも、ディズニーランド旅行の実況でも、「Videoleap」や「CapCut」などのAppで作った彼女の動画は、どれも面白く、ポジティブなエネルギーに満ちています。動画では、ボディイメージやプラスサイズのファッション、女性やトランスジェンダーの権利といったトピックに触れることも少なくありません。フォロワーたちはそんな彼女の姿を、親友のように温かい目で見守っています。

Heartsさんは、「Cameo」でもメッセージ動画の制作依頼を受け付けています。「『Cameo』の動画は、FaceTimeでおしゃべりしているような、より親密な会話をイメージして作っています」と、 Heartsさんは話します。

元気が出る動画が現実世界に与える影響

Heartsさんの動画は、基本的には気軽に楽しめる内容です。それでも彼女自身は、元気が出るメッセージを、特に若い女性のフォロワーに向けて発信することの影響力を理解しています。

「私たちが生きている社会では、女性が男性よりも少ない給料しかもらえず、子宮を持つ人々の体に一方的なルールが押し付けられています」と、Heartsさんは話します。「有色人種の女性たちは、とりわけ蔑視されています。彼女たちは必要なサポートを受けられません。だから、私たちがそばで支えてあげないといけないのです」

こうした彼女の熱意が、クラウドファンディングという形で、コミュニティを動かします。「仮に有色人種の人が性転換を望んでいても、必要な情報や経済力があるとは限りません」と、Heartsさんは語ります。「トランスジェンダーの中には、経済的理由から医療保険に入れない人や、望んでいる体になれない人がいます。なので、人々が力を合わせる姿には、とても大きな影響力があるのです」

Heartsさんの編集方法

Heartsさんは、すべての動画編集をiPhoneだけで行っています。これは、元気が出る動画を自分でも作ってみたいと思っている人たちにとって、大いに励みになることでしょう。Heartsさんが愛用しているのは、「Videoleap」というAppです。「動画の撮影、加工、編集は、できるだけこのAppだけでやるようにしています」と、彼女は話します。

「Videoleap」の使い方は簡単です。画面の下にある「+」のボタンをタップしてから、使いたいクリップを選ぶだけです。あとはタイムラインが自動的に生成されるので、自由にクリップを動かしたり、エフェクトやナレーションを追加したりできます。

一方、トレンドになっている動画で遊びたい時にHeartsさんが愛用しているのは、「CapCut」です。「ボートの上に乗って手を振る、ネット上で話題になった動画は、『CapCut』で編集しました」と、彼女は話します。

「CapCut」では、膨大な数のエフェクトが用意されているほか、TikTokで見つけた動画をテンプレートとして取り込むこともできるので、話題を呼んでいる動画に、自分ならではのアレンジを加えられます。

何にも縛られず、自分らしく

元気が出る動画の制作でAppが果たす役割は大きいですが、Heartsさんが共有してくれた最大のヒントは、自分らしさを忘れないという点です。「親しまれる動画を作る時に一番大切なのは、自分らしく、自然体でいることです」とHeartsさんは力説します。「自分を偽って、うわべだけ取り繕ったとしても、動画を観てくれている人たちには、無理をしていることがいずれは伝わります」

そこでHeartsさんがおすすめするのは、誰かに見せるための動画ではなく、自分のための動画を作っている気持ちで取り組むことです。「自分らしくあるかどうかは、どれだけ編集しても伝わるものだと思います」

Naomi Heartsさんの元気が出る動画を作るヒント

目的を持ちましょう。「私は当初、エンターテインメントの世界に進みたいと思っていました。でも投稿を続けるうちに、誰かの人生を少しだけでも幸せにできたらいいな、という気持ちに変わりました」

自分らしくありましょう。「自分を偽って、うわべだけ取り繕ったとしても、動画を観てくれている人たちには、無理をしていることがいずれは伝わります」

プラットフォームの違いを意識しましょう。「例えば、YouTubeで長尺の動画を作るのはすごく楽しいですが、そのぶん手間もかかります。短尺動画を扱うTikTokなどとは、まったく別のプラットフォームだと考えるべきです」

常に“Bロール”を撮影しましょう。「メインの動画を補うための素材として使う動画、いわゆるBロールは必須です。編集の幅がぐっと広がり、いろいろと楽しい加工もできます」

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