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ドラゴンクエストの世界旅行

アリアハンにラインハット、冒険の地へ旅立とう。

住み慣れた場所を離れて、遠く旅をすることは、人生に宝物のような思い出を与えてくれます。広大な世界に散らばった場所を訪れて、その地の風土やそこで暮らす人々と出会うことで、新たな知見が広がるものです。

1986年5月27日に登場したドラゴンクエストの世界は、作品ごとに広がり、そしてつながってきました。そこには、私たちの住む世界と同様、いくつもの町や城、塔や洞窟、さらには人里離れた神殿や神秘の村などが存在しています。

そして現実の旅と同じように、フィールドを進む度に新たな出会いがあり、未知のものに挑む冒険を通じた成長があり、忘れられぬ思い出が生まれていきます。

胸に宿る冒険心を満たすべく、ドラゴンクエストの世界旅行を始めましょう。

始まりの地と
まだ見ぬ冒険の行き先

ドラゴンクエストの壮大な旅が始まりを告げるのは、ラダトーム城。ドラゴンクエストの世界に登場した、すべてのはじまりの地です。アレフガルドと呼ばれる世界の豊かな国、ラダトームの城内で、勇者ロトの子孫であるあなたは、王様から悪魔の化身、竜王を倒し、ひかりのたまを取り戻すよう言われます。まずは城を出て、ラダトームの城下町を目指します。町を一歩出れば、そこは魔物たちにあふれています。わずかに離れた町を目指して、初めての一人旅が始まります。

シリーズを通じて、時の流れや歴史の変遷を感じさせる描写があるのも、ドラゴンクエストの魅力です。始まりの城と町ラダトームは、続編の「ドラゴンクエストⅡ」、そして「ドラゴンクエストⅢ」のロト三部作すべてに登場します。「ドラゴンクエスト」の100年後の世界が舞台の「Ⅱ」では、ラダトームの城と町は一つにつながっています。「Ⅲ」でも同様に、町の中から続く一本道を歩いていくことで、城へとたどり着きます。「ドラゴンクエスト ポータルアプリ」ではロト三部作すべてを遊べます。

「ドラゴンクエストⅢ」に登場するラダトーム(上)と、「ドラゴンクエスト」に登場するラダトーム(下)。

町と城の構造は時代の流れとともに変わりますが、実は町の西側に武器屋や宿屋があり、橋を渡った先に道具屋があるなど、町の中でそれぞれの商店のある場所は変わっていません。複数のシリーズの世界を歩くことで、時を超えた旅も楽しめます。

生涯忘れ得ぬ出会い

旅は道連れ、たどり着いた先には新たな出会いが待っているものです。それは共に戦う仲間だったり、助け出したい大事な人だったり、そしてライバルや挑むべき強敵もまた人生の物語には欠かせない存在です。

旅の仲間を見つける場所として、ルイーダの酒場は、もはやその代名詞のように周知されています。「ドラゴンクエストⅢ」のアリアハンの城下町に初めて登場し、その後もシリーズ作品にいくどとなく登場しました。「Ⅲ」の主人公は、16歳の誕生日を迎えたその日に、勇者ロトの末裔であり、勇敢なオルテガの子どもとして、魔王を倒すための旅に出る許可を王様にもらいます。そしてルイーダの酒場で、旅の仲間を見つけるのです。ルイーダの酒場、そこはルイーダ自身が言うように、「出会いと別れの酒場」です。

旅先では仲間以外にも面白い出会いがあります。運命に導かれるかのように、何度も出会う敵もいます。大盗賊カンダタもまた、そんな印象的な一人です。

「ドラゴンクエストⅢ」のシャンパーニの塔で初めて出会うカンダタは、手にした斧から強力な痛恨の一撃を繰り出してきます。そうかと思えば、愛嬌のあるセリフを口にするなど、敵とはいえ、戦うだけではない交流があることを思い出させてくれます。

「つめたいこといわねえでくれよ! な! な!」という愛嬌のあるセリフを言う、大盗賊カンダタ。

困難の先にある成長

かわいい子には旅をさせよ、といにしえから言うように、旅は人を成長させます。幼い頃に出会い、共に困難を乗り越えた相手とは、強固な友情と信頼が育まれ、生涯の友となることでしょう。「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」のラインハット城での出会いは、二人の少年にとって、まさにそんな運命の出会いとなります。

大事なものを失いながらも、助け合う中でかけがえのない友情を育んでいく主人公とヘンリー王子。

強くてやさしい父親と旅を続けてきた主人公と、城で何一つ不自由なく暮らしてきたヘンリー王子。二人は待ち受ける過酷な運命を、ともに歩み、成長していきます。

旅の途中で転職し、自分の適職を見つけて、さらなる成長を遂げていくのも、ドラゴンクエストの世界の旅の面白さです。「Ⅲ」に登場したダーマの神殿で、初めて転職ができるようになりました。現実の世界で移動することで、ドラゴンクエストの世界の中を冒険する「ドラゴンクエストウォーク」でも転職は、冒険の可能性を広げます。戦士と僧侶などの職業の上に、複数の職業を経て転職できる、上級職が用意されています。

そして別れと再会

出会いだけでなく、別れから旅が始まることもあります。「ドラゴンクエストVI 幻の大地」に登場する最強の剣を求める剣士テリーは、幼い頃に姉のミレーユと生き別れます。姉を守れなかった自分の弱さを後悔してテリーは、誰よりも強くなろうと決意し、旅を続けます。

強さを求めて旅をするテリーと、モンスターマスターを目指すテリー。二人のテリーの世界は、どこかでつながっているのでしょうか。

ドラゴンクエストの世界は、シリーズ作品を通して、同じ名前の人物や同じモチーフなのではないかと思わせるものが登場し、暗示的なつながりを想像させることがあります。例えば、テリーは「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドSP」では、ゲームの主人公として登場します。「ドラゴンクエストVI 幻の大地」の時と同様に、ある晩、ミレーユが連れ去られてしまいます。そこから物語が始まるのですが、その後のドラマは大きく異なります。

二つの世界に登場するテリーはどういう関係にあるのでしょうか。両方のタイトルを遊んでみることで、隠されたつながりや謎を解く手がかりが見つかるかもしれません。

寄り道の楽しみと
旅先で見つける宝物

旅は世界を見る目を変えてくれます。自然豊かなブルリア星を旅の舞台とする「星のドラゴンクエスト」では、地上を遠く離れて、ブルリア星を上空から眺めることができます。視点を変えることで、地上に散らばった光り輝く宝物にも気づかされます。

星全体を見渡してみれば、地上に光る本当の宝が見えてきます。

平野を歩き、森や山を越えて、海や空を渡り、いくつもの町や村、城を訪れていくドラゴンクエストの旅。時に、乗り越え難い困難な壁にぶつかることもあります。そんな時は、かつて訪れた先に移動できるルーラの呪文を使って、なじみの場所へ戻ってみましょう。様々な出会いの中で、いつの間にかレベルアップしていた自分を実感するはずです。ルーラの行き先、それは旅の思い出の数そのものなのです。

©World Map Illustration:ArtePiazza