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堀井雄二の
冒険の書

ドラゴンクエストの誕生と、
仲間たちとの創造の旅路。

1986年5月27日にエニックス社(現在のスクウェア・エニックス社)から、家庭用ゲーム機のソフトとして発売された「ドラゴンクエスト」は、人類を新しい冒険へと誘いました。プレイヤー自身がゲームの中で主人公となり、広大なフィールドを旅して、世界を魔の手から救う。それはいくつもの物語へと広がり、今もなお多くのファンを魅了するシリーズとして愛され続けています。

ドラゴンクエストシリーズの1作目から最新作まで、制作の中心的クリエイターとして関わり続けているのが堀井雄二さんです。ここではドラゴンクエストの生みの親とも呼ばれる堀井さんに、ドラゴンクエストシリーズをどのように作り出したのか、またApp Storeで遊べるゲームの数々に込めた思いなどを聞きました。

コンピュータゲームに
人間味を

「ドラゴンクエスト」を構想した時に、堀井さんが一番大事にしたことは何だったのでしょうか。

堀井さん:「『ドラゴンクエスト』を作ることになったとき、最初に思ったのは当時のコンピュータゲームには、冷たいイメージがあるなということでした。そこで温かさを出したいなと思ったのです。登場する人物たちの会話など、温かみが最も大切にしたことですね。それからわくわくする感じ、そしてわかりやすさですね」

ゲーム内に登場する人物のセリフには、ユーモアのある掛け合いがたくさんあります。あえてそういう会話を入れていたと言います。

堀井さん:「人間臭さをなるべく出したいと思っていました。町の人など、一人ひとりが短いセリフの中にでも、その人らしさ、人間臭さが感じられて、その人の感情などがわかるように工夫しました。プレイヤーに、この人はこんな人なんだ、と思ってもらえるようにセリフを選びました」

鳥山明とすぎやまこういち
創作という冒険の仲間

ドラゴンクエストの勇者やモンスターは、堀井さんが描くイメージスケッチを元に漫画家の鳥山明さんがデザインして生まれます。

堀井さん:「最初、僕はスライムはドロドロしたものだと思ってスケッチを描いたのです。そうしたら鳥山さんから水の滴みたいな形のキャラクターの絵が上がってきた。これはこれでいいなぁ、と思って、スライムは『人の顔などに張り付いて窒息死させる』と当初考えていたのですが、鳥山さんの絵を見て、体当たり的な攻撃手法を取るモンスターに設定を変えました」

堀井さん:「キングスライムの時も、鳥山さんが描いた絵を見て、名前を付け直しました。モグラのモンスターを考えた時も、依頼する時はなんとなくモグラのモンスターと説明していて、実際に上がってきた絵を見て、『いたずらもぐら』という名前にしました。鳥山さんには、あくまでもラフなので、名前やスケッチをつけていますが、気にしないでください、といって渡していました。僕のスケッチは、鳥山さんがきっと変えるだろう、と気楽な感じで描いているので、『ネズミの変なやつ』という説明をしていたり、けっこう適当だったりします(笑)。鳥山さんのヒントになれば、くらいな気持ちでスケッチを渡しています」

堀井さんからの程よい依頼書を介して、鳥山さんとの間で無言の意思疎通が交わされていると言います。

堀井さん:「以前、鳥山さんから、これくらいのスケッチがちょうどいい、と言われたことがあります。あまりきれいに書いてあると、それに引っ張られてしまうので、この適当な感じがとてもよい、らしいです(笑)」

堀井さん:「主人公は、実際に鳥山さんと直接会って、補足説明をして、何度もやりとりして、固めていくことが多いです。描き直してもらったり、別のキャラクターとして登場させたりしたこともあります。毎回、鳥山さんが描くとこうなるのか、と思いますが、やっぱり一番意外な仕上がりだったのは、最初のスライムですね」

すぎやまこういちさんから最初に曲が送られてきた時にも、驚きがあったと言います。

堀井さん:「すぎやまさんがすごいのは、『ドラゴンクエスト』の時に、ゲーム用の音楽にクラシックの曲を書いてきてくれたことです。使える音の数が限られていたのに、クラシックの曲になっていた。制作中のゲームの中で実際に曲を流してみると、これでなきゃダメだ、という気分になりました。ドット絵で描かれたシンボル的なフィールドが、壮大な世界地図に見えてきました。その時に、音楽が重要なのだと思いましたね」

鳥山明さんのキャラクターデザインと、すぎやまこういちさんの音楽が加わり、「ドラゴンクエスト」の形が生まれていきました。

「それからもう35年、一緒にお仕事をしています。ですが、実は3人そろって初めて会ったのは、2017年のことでした。鳥山さんに絵を依頼するのは制作の最初の頃ですが、音楽は後半に頼みます。だから僕はお2人と個別に会っているのだけど、僕自身も驚いたことに鳥山さんとすぎやまさんは30年以上も直接会わずに、リモートで創作をしていたのです」

世界のルールを作る

今ではドラゴンクエストの新しいゲームが誕生するまでには、数年単位での開発期間がかけられ、多くの人がその制作に携わっています。35年前に、最初の「ドラゴンクエスト」が生まれた時は、ゲームの中核になる部分はわずか3か月ほどで作られました。

堀井さん:「最初に、画面をウィンドウで表示することやコマンド部分のデザイン、そしてゲーム世界のルールを決めていきました。それからマップを描いて、町の人やモンスターを配置し、モンスターや呪文のパラメータを考えました。当時は64キロバイトの容量にデータを入れ込まなければいけなかったので、そこから逆算して作っていったのです。最初の頃は、登場させるアイテムの個数や値段なども、すべて考えていました。世界の設計図を描いている気持ちでしたね」

ウィンドウで表示されるバトル時の画面のスケッチ(上)と実際のゲーム内の画面(下)。

物語を作る時は、最初に町の地図を描くことから始めたと言います。

「その場所で起こる大体の出来事を頭の中で決めたら、町のマップを先に作り、人を置いて、その人たちにセリフを与えてストーリーを構築していく、という手順で物語を作りました。マップありきで考えているので、どこに人がいるかでセリフも変わってきます。例えば壁に向かっている人に声をかけると、急に話しかけるなよ、と言われるとか」

堀井さんの描いたラダトームの町のスケッチ(上)。町の様々なところに人が配置されている。

「こういう作り方だから、物語があらかじめ決められた順番の線で構成されているというよりも、それぞれの人のセリフという点を集めることで、面で物語が進むような作りになっています。プレイヤーに自由に世界の中を冒険している感覚を味わってほしかったのです」

堀井さんが手書きでスケッチした、広大なフィールドを形成する草原や山などの32種類のマスのデザイン(上)。子どもの頃に好きだったプラモデルを作っているようでおもしろかったと言います。

格変化する呪文

ドラゴンクエストの世界には呪文が登場します。そして呪文は、種類によって、より威力の大きな呪文へと進化していきます。呪文の名前のルールも、最初に考えたことの一つだと言います。

堀井さん:「呪文の名前は、感覚でつけています。もともと、擬音語を使って話すことが多いのですが、呪文の名前も、その効果からイメージする擬音などから連想していることが多いですね。ホイミは身を守りそうだなとか。ラリホーはなんとなく寝そうかな、とか。

「ドラゴンクエスト」制作時に、最初に構想した呪文の名前のリスト(上)。後に、ロミールは堀井さん曰く「なんとなくピンとこない」ため、レミーラに名前を変えて実装されました。

その後、呪文が増えてきて、擬音だけでは量産できなくなってきた。その時、英語の文法にある、形容詞などの3段活用が頭に浮かんで、呪文も3段活用にしようと思いました。法則を作り、ベが中間、マが大きい、などと決めて、運用しました」

インスピレーションの源

ドラゴンクエストの世界には、町や城、村や塔、神殿など様々な場所が登場します。この多様な世界を堀井さんはどのように考え出してきたのでしょうか。

堀井さん:「旅をするのが好きですね。旅先の地名や、そこで触れた文化からインスピレーションをもらうことはよくあります。例えば『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』に登場するサマルトリアの名前は、サマルカンドをもじって作っています。エジプトに行って、ピラミッドに登ったこともあります」

「旅をしている間は旅することに専念して、戻ってきた後でなんとなく思い出しながら、その記憶がゲームのアイデアにつながることはよくあります。異文化に触れるのも好きですね。普段住んでいる場所の文化では当たり前のことが、行った先では当たり前ではなかったり。そういう違いを知るのを楽しんでいます」

旅をするのが好きですね。旅先の地名や、そこで触れた文化からインスピレーションをもらうことはよくあります。

堀井雄二さん

旅の中で、新しい場所を訪れ、そこで新しい出会いに触れる。ドラゴンクエストの世界を一度訪れれば、そこには旅と同じように、もう一人の自分が主人公の物語が始まります。まだ知らない世界を求めて、冒険の旅へ出かけましょう。

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