APP STORE AWARDS 2021

今年のベストApple Arcadeゲーム

伝説的クリエイターが原点に立ち戻って作り上げたロールプレイングゲーム「FANTASIAN」。

FANTASIAN

ジオラマ上の冒険

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2021年のベストApple Arcadeゲーム「FANTASIAN」は、私たちを懐かしいロールプレイングゲームの黄金期へといざない、同時にこのジャンルの未来を垣間見せてくれました。

・「FANTASIAN」の開発に要した年数: 3年
・ゲームのために手作業で作られたジオラマの数: 約160点
・サウンドトラックとして作曲されたオリジナル曲の数: 58曲

「FINAL FANTASY」を生んだ伝説的クリエイター、坂口博信さんが手がけた「FANTASIAN」は、自らがその先駆けとなったジャンル、ロールプレイングゲームに宛てたラブレターそのものです。本作で、あなたは記憶喪失の主人公、レオアとなり、記憶を取り戻すための旅をしながら、世界を蝕む邪悪な侵略者ヴァムから多重世界を救います。気の強いシャルル王女、感情を持ったロボットのチクッタ、魔法を操るキーナなど、個性的なキャラクターたちとチームを作り、戦乱で荒廃した世界を戦い抜きます。

レオアと仲間たちは美しい世界を探索しながら、チームを組んで悪のモンスターやロボットなど、多くの敵と戦います。

壮大な世界観、深みのある愛すべきキャラクターたちの活躍、手に汗握るバトルなど、「FANTASIAN」には私たちがロールプレイングゲームに求めるものがそろっています。そしてそのすべてを「FINAL FANTASY」の楽曲を手がけた作曲家、植松伸夫さんの手による、豊かで雄大な楽曲が包み込みます。

そして何より驚くべきことは、ゲームの中であなたが目にするほとんどすべてのものが手作りだということです。

受賞作についてさらに詳しく

ビブラ王都の色鮮やかな家々から機械世界の雑然としたスクラップ置き場まで、「FANTASIAN」の丹念に作り込まれたステージは、まず現実世界で模型として制作されました。埃まみれの通路を一つひとつ職人が手作業で作り、撮影したものを3Dスキャンしてゲームに取り込むという手法が取られています。その結果、非現実の世界でありながら、実物のような存在感を持つ他に類を見ないゲームとなったのです。

人の手で作られた物には魂が宿ります。私たちのジオラマの精巧さは、人間の手によって作り出せるものの限界を押し広げました

―Mistwalkerの創設者兼プロデューサー、坂口博信さん

工夫が凝らされたターン制バトルには、あなたが判断して戦い方を決める余地がたっぷり盛り込まれています。石の巨人が巨大な拳で仲間を攻撃しているなら、拳が振り下ろされる前に腕に狙いを定めましょう。電気をエネルギーとする怪鳥は、手下の鳥たちを呼び集めるので、群れの注意をそらせば、その間に仲間が怪鳥本体を倒せます。「FANTASIAN」のボス戦はそれぞれまったく異なり、攻略の方法も一つではありません。

「FANTASIAN」のジオラマ制作の様子です。

さらに「FANTASIAN」は、不満に思うロールプレイングゲームのプレイヤーも存在した、フィールドでランダムに遭遇する敵とのバトルに改良を加えました。従来のゲームでは、敵と前触れもなく遭遇するため、プレイヤーがA地点からB地点へ向かおうとしている時に足止めされることがありました。しかし「FANTASIAN」では、ゲームの世界をよりスムーズに探索し続けられるよう、革新的な「ディメンジョンシステム」を導入しています。このシステムでは、遭遇した敵を異次元にまとめておき、準備が整ってから一気に戦えるため、ストレスなく、思う存分経験値を高められます。

「FANTASIAN」に一貫しているのが、細部への驚くほどのこだわりです。手作業で作られたセットから画期的な改良に至るまで、本作はロールプレイングゲームの父と呼ばれるクリエイターの偉大な意図のもとに生み出されました。しかし、「FANTASIAN」はただの古き良きゲームではありません。このジャンルのより輝かしい未来を思い描き、2021年、Apple Arcadeで最も優れたゲーム体験を私たちにもたらしたのです。

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