「The Sims フリープレイ」で、“シム”と呼ばれるキャラクターを作り、見た目や性格を決めるのはもちろん、自由に生活してその人生を導きながら体験しましょう。シムたちが最高の人生を送ることになるか、その逆になるかは、すべてあなた次第です。リアリティショーの演出にも似ていますが、あなたには現実世界とは比べ物にならないほどの自由度が与えられます。
夜は消防士として活動するシングルマザーや、やんちゃな子どもたちを育てる同性カップルなど、このゲームに現実世界にありそうな障壁は少なく、シムたちは自分らしい人生を送ることができます。そしてこの世界観こそが、10年以上もプレイヤーを魅了してきたのです。
「私たちは、世界とはこういうものだと解説したいのではなく、プレイヤーが自分なりの世界を作り上げられるようにしたいのです」と話すKate Gorman Revelliさんは、Electronic Artsの「The Sims」シリーズ担当部門責任者です。「多様性が尊重される仮想世界で、強力なツールを使って、人生の様々な可能性を探索できる場所にしたいと思っています」
Revelliさんは、「The Sims」という世界中のゲーム好きに知られるブランドを統括する30代半ばの女性エグゼクティブとして、業界でも異彩を放つ存在です。中学生の頃に「The Sims」に出会った彼女は、ゲームで別の人生を試すことがどれほど自信につながるか、身をもって体験しました。これは、「The Sims」のかなりの割合を占める女性ユーザーに、特に当てはまることです。
批判やいじめを受けないとわかっている空間で様々な可能性を試すことが、自己発見につながるかもしれません
「The Sims」シリーズ担当部門責任者、Kate Gorman Revelliさん
「残念なことに、年齢を問わず多くの女性たちが、周囲からの期待や評価を気にして、自分自身を枠の中に閉じ込めています」とRevelliさんは言います。「The Sims フリープレイ」の世界はそうした垣根を打ち破ります。「批判やいじめを受けないとわかっている空間で様々な可能性を試すことが、自己発見につながるかもしれません」
新たな幕開け
とはいえ、「The Sims フリープレイ」にも改良の余地はあり、体型の多様性はその一つです。シリーズ第1作の発売は2011年で、日進月歩のゲーム業界ではもはや古典の部類に入りますが、当時から使われているゲームエンジンは、シムたちを細身の体型に固定してしまいます。
エンジンの改良は大変な作業ですが、それでもRevelliさんは諦めません。「どうやって大規模なアップグレードを行うか、みんなで様々な案を考えています」と彼女は話します。「『The Sims』に新時代が訪れると思うと胸が躍ります」
突き詰めると、「The Sims フリープレイ」は仮想の世界で人生を作り直すだけのゲームではないと、Revelliさんは言います。ゲームを通じてプレイヤーの視野を広げることこそが、この作品が持つ真の力なのです。
「自分の物語を作る時、自分の世界を表現することだけに集中するのではなく、他者のレンズを通して世界を見てほしいと、私たちは考えています」。それは時には、自分自身を別のレンズを通して見ることでもあります。
Revelliさんは、自身のシムについてこう話します。「私のシムは、私よりずっとよく寝るんです。外見や行動は私にそっくりですが、ひたすら昼寝をして、ペットと遊んで、庭いじりをしています。すてきだと思いませんか」
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