まず、ファイアーエムブレム×人狼という触れ込みで語られることもありますが、その2つとは別物です。FEを題材にした、新規の正体隠匿ゲームと言った方が良いでしょう。同じスマホゲーでもヒーローズのような過去作勢揃いお祭りゲーとは違います。その上で完成度はかなり高いと思います。(私はFEは携帯機でできる作品は全てやってる程度で、人狼は動画で見る程度の理解度です。)最初に人狼との違い、次にFEとの違いを紹介しながらレビューを進めます。まず人狼との違いについて、ゲームの流れを追いながら説明します。本作の騙し合い要素は、「投票次第でバトルの有利不利が決まる」ものであり、人狼のように「投票次第で勝ち負けが決まる」ものではありません。また、チャットやスタンプといった他プレイヤーとのコミュニケーション手段もありません。この時点で議論と投票がメインである人狼とは大きく違い、あくまでもバトルがメインのコンテンツです。本作のバトルは光側2人と闇側1人の合計3人でマッチングします。また、バトルは昼フェイズと投票フェイズと夜フェイズの3つに分かれています。まず昼フェイズではFEお馴染みのマス目マップにて、誰が闇側か分からないまま3人で協力してNPC(敵)軍と戦います。昼フェイズのそれぞれの仕事は、大きく2つあります。光側①なるべく体力を残して敵軍を全滅させること②本気で戦っていない闇側を見破ること闇側①闇側専用コマンドで妨害してプレイヤー達の体力をなるべく削ること②投票されないように本気で戦っているフリをすること昼フェイズの戦闘が終わったら、議論はないのですぐに闇側だと思う人への投票と結果発表が行われます。光側は投票が正解なら復活権が2つ、間違いなら復活権が1つ貰えます。この時、光側は昼に削られた体力が回復しません。もし昼に死んでいたら復活権を消費して復活します。闇側には復活権付与はありませんが、ケモノ化してステータスが強化され、体力は昼にいくら削られていても全回復します。その後の夜フェイズでは光側VS闇側の2対1で戦闘です。光側は2人の手数と復活権を武器に、闇側はNPC達と強力な専用コマンドを武器にしてバトルを行い、そこで勝った方が最終的な勝者です。推理も勝敗もあくまでバトルを介してしか決められないので、投票の比重はそこまで重くありません。正体隠匿ゲームに不慣れな方でも気軽に始められると思います。次にFEとの違いです。従来FEの主要な操作である「進軍や攻撃の指揮」は全自動になっており、プレイヤーは指示を出せません。移動ルートも攻撃対象も選べません。マルチプレイの全員が自動同時進行なのでシンキングタイムがなく、戦闘はかなりスピーディーです。その代わり、プレイヤーは「魔法」と呼ばれるクールタイム付きのコマンド(マップ兵器)を使って戦場に干渉することになります。リアルタイムで進行する戦場のマス目を指定して、敵にダメージを与えたり範囲回復をしたりマス移動させたりと様々な魔法で手助けをするのがプレイヤーの役目です。逆に言えばバトルマップ中はそれしかできません。基本的に闇側専用の魔法は性能が高い代わりに、1人なので手数は半分になりますし、攻撃魔法は使用から発動までの間に2秒の予兆とタイムラグがあります。光側は2人で連続して魔法を使ったり、闇魔法の予兆の間に後出しで魔法を使ったりして上手く対処していく……という非対称性バトルが展開します。実際はこの魔法の慌ただしい応酬や読み合いが主なゲームプレイの内容なので、FEのようなじっくりしたシュミレーションの指揮を期待していると肩透かしを喰らうかもしれません。客寄せ用に過去作からリンとディミトリが参戦してますが、それ以外のキャラは全部本作オリジナル、ストーリーもほぼオリジナルキャラで進行するので、もはや過去作キャラはゲスト出演でしかありません。ですが、FEとは別物のカジュアルな正体隠匿ゲームとして見ると、プレイ時間の短さの割に読み合いの幅が広く、かなり密度の濃いプレイ体験と満足感が得られる良ゲーです。難点としては、仕様説明が少ないのも相まって各種魔法の実際の挙動が分かりにくく、トレーニングルームのようなものもないので実戦で試して覚えるしかない点があります。あと現時点では1キャラを使い続けるとマッチングしにくくなるそうですが、今そこまでやり込んでいる人はごく少数でしょうし今後の改善に期待です。